2012/07/06 Fri
 この一週間 介護保険料に対する高齢者の 疑問・怒り・不安の声を 聞き続けた。

 もちろん 木っ端役人 として 私の本業である。

「年金が下がってるのに 何で 介護保険料をこんなにあげるんや!」
「お前ら 何考えてるんや!」

 こう怒鳴られる方が 多かったが 私は この方がいい。相手の怒りがもっとだからである。

 木っ端役人は 叱られるのが仕事。

 私は プライベートな時間では 介護保険料に怒る一揆の会の事務局長もし、「介護保険料は不当だ」と訴えているが、仕事では そんなことは 全く関係ない。ただの 木っ端役人である。

 介護保険制度の端くれで 禄を食む木っ端役人である以上、介護保険料に対する疑問、不満や怒りを身をもって受け止め、誠心誠意説明するのも仕事である。「家まで説明に来い!」と電話で言われるなら 玄関先までいって 土下座するのも 仕事である。

 しかし、一番 こたえるのは、切々と生活実態や生活不安を訴えられる方である。

 今日も、一人暮らしの80歳すぎの女性が、いくつも病気を抱えて 医者代がかかり、通院のタクシー代も負担で、月わずか9万円ほどの年金で 切り詰め切り詰め 生活していることを 切々と訴えられた。
 低所得者の減免申請手続きの30分間 ずーっと お話をされる。

 「私は長生きをしすぎて 病気ばかりして 若い人の税金を食い物にしているようなもの」
 「いっそのこと 自殺したら 楽になるのに と最近 よく思うようになった。病気もちの年寄りは社会の荷物や。消費税上がるのも私らみたいな年寄りが増えるからや」
 「どうしたら 楽に迷惑かけずに死ねるやろか。電車に飛び込むのが一番すぐに死ねるらしい、そやけど大勢の人に迷惑かけるから死んで地獄に落ちるそうや。富士山の樹海に入ったら死体も出てこんし迷惑もかからん。そやけどそこまで行く電車賃も体力もないわ・・・・」

 こんな話を繰り返しされる。
 
 聞いているこちらの方が 辛く悲しくなる。
 
 「超高齢化で社会保障に金がかかるから消費税増税」という、繰り返しなされた 意図的なキャンペーンが、わずかな年金で 病気と闘いながら 必死で生きている まじめな高齢者を 追いつめている と 思う。

 80歳。女性の平均寿命にもまだまだ達していない人が 「生きすぎて社会の迷惑」などと思い込んでしまうこの社会は明らかにおかしい。

 「病院代だって あなたが払っていただいた保険料で支えておられるし、まったく使ってない介護保険だってこうやって 保険料払って支えていただいてるんですから 今でも十分 社会に貢献されてると思いますよ。」

と 声をかけると

 「これから先 よくなることなんか何もない。悪うなる前に死にたい。」 とポツリ と言われた。

 今日一日で 一番 うちのめされた ひとことである。

 
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Category: 介護保険料

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今回の記事を読んで、ふと生殖機能を失った動物の寿命について調べました。人も動物も、種族の繁栄が最大の目的だと思ったからです。その目的を果たした後の生き方について疑問を持ったからです。

結論は、「人は生殖機能を失っても生き続けなくてはならない」です。よって、お年寄りにも生きる責任があるのです。
昔話にある、姥捨て物語にあるように、お年寄りの持っている知識・経験というのは他では替えることができない貴重なもので、守らなくてはいけません。確かに、医療・福祉にお金はかかりますが、それによってお年寄りが持っている貴重な知識や経験が守られているのです。

若者も、お年寄りも、それぞれの役割(若者は結婚して、子どもをたくさん生むこと!!!)をしっかりと認識して、相互協力のもと生きていかないといけないんですよね。

Edit | 2012/07/07(Sat) 12:08:11

 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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