2012/08/19 Sun
 本来、過去の侵略戦争を反省し、不戦平和の誓いをあらたにすべき8月15日が今年は一変している。
 
 やれ竹島だ、尖閣だ 固有の領土だ 弱腰外交だ

 とんでもない論調である。

 民自公三党談合による消費税増税強行など、反国民的政治と閉塞感を「外」へ発散させるような反韓国、反中国扇動は異常である。

 こまかくのべる余裕はないが、領土問題について、このブログに何度か書いてきた私の考えである。

 竹島問題   
議論の根本が間違っている。領土問題は、歴史的に形成されているからこそ、歴史認識問題なのだ。とくに、朝鮮半島は明治以後、植民地侵略のターゲットであった。竹島問題(1905年島根県編入)は、朝鮮併合の第一歩であったことはまじめに歴史を見れば明らかである。1910年に日本帝国に併合される当時の朝鮮王朝は、増大する日本の圧力に必死で抵抗を試みる。1900年大韓帝国勅令第41号の公表は、日本が竹島(独島)を侵奪しようとした 5年前である。
 この大韓帝国の1900年勅令第41号の公布は、‘近代’に入って朝鮮王朝政府が ‘独島’に対して統治権を行使して制度化した非常に重要な歴史的事実である。
 日本は、この朝鮮を保護下に置き、1905年に竹島を「領土編入」、さらに5年後には、朝鮮本国をも「併合」し植民地化してしまった。
 どこから見ても竹島問題(獨島問題)は日本帝国主義の植民地獲得戦争の歴史の中で生まれた問題である。そういう意味で小泉首相の靖国参拝問題と表裏の関係である。
 無知で厚顔な民族主義的主張はきっぱり改め、おろかな「竹島領有権」主張は捨て去るべきである。
 侵略の過去を反省し、国際協調と平和主義こそ日本の「国益」にかなう道である。

2006年4月23日記「竹島問題」 厚顔無恥な民族主義

 竹島にもっとも近い 島根県隠岐の島を訪ねた時のことである。
そして話題は「竹島問題」へ。丁度2月22日は「竹島の日」だった。隠岐の島の漁師さんたちにとっては貴重な漁場もあったことから、とても身近で、施設長さんの中には「親が竹島で漁をした」という人も。
しかし、決して政治的な「領有権主張」ではない。「自由に立入り漁ができるようになって欲しい」というのが地元の願いのようだ。
 2009年2月23日 隠岐の島へ行ってきました

 
 尖閣問題  受け売りであるが識者の中でこれが一番建設的かつ合理的である。元駐イラン大使で外務官僚、防衛大学校の教授をされていた孫崎享氏の講演の感想である。
 日中国交回復時に両国間で「小さい問題は棚上げ、日中友好という大きな問題で一致した」
 「棚上げ」だが、すでに、日本が実効支配しているから、そのほうが日本に有利。実効支配の実績ができる。
 それをヒステリックに「日本固有の領土だ」と主張し、漁船拿捕の実力行使に出れば中国側も、棚上げをやめて「力と力のぶつかり合い」に。
 軍事力増強と経済発展を武器にした中国と力の勝負にでることの愚かさ。
 ざっと こんな主張である。
 素晴らしい!
 革新政党の「日本固有の領土であることを強く主張せよ」という論より、数倍 素晴らしいと思う。
 偏狭なナショナリズムに与するな「領有権」主張をぶつけ、中国脅威論や「島しょ防衛」「米軍要視力論」に与するような 幼稚な主張より、はるかに理にかなっいる。
 2010年10月6日記 知的共感


 ついでにいわゆる「北方領土問題」についての私の考えである。旧北海道庁に立ち寄った時の感想。
 北方領土コーナーでは、「わが国固有の領土の北方領土の返還を」との主張で埋め尽くされている。
 この領土問題は、私としては疑問符である。
 1855年(安政元年)の日魯通好条約での国境は択捉島とクルップ島の間と決めたことを論拠にしているが、
 その後の1875年の樺太千島交換条約では、日本が樺太を放棄する代わりに千島列島全体をロシアから譲り受け、日露戦争での日本勝利を受けたポーツマス講和条約では、北緯50度以南の南樺太を日本の領土とした。
 戦後のサンフランシスコ条約では、日本は南樺太と千島列島に対する権利を放棄した。
 そこで、北方4島(歯舞、国後、色丹、択捉)は千島列島に含まれていないと日本は主張し、安政元年の日露国境線(択捉島までが日本でウルップ島からがロシア)に戻せ、というのである。
 しかし、ロシア側からすれば千島列島(ロシアではクリル諸島という)は、4島を含めて列島である、という歴史的な主張がある。
 いずれにせよ、アイヌの土地だった千島や樺太に進出してきたの日本人、ロシア人の主張である。
 21世紀にもなるのに江戸時代の国境線に戻せという主張はいかがなものか、とつい思ってしまう。 
 この点、「歯舞、色丹とともに、国後、択捉から得撫(うるっぷ)、占守(しゅむしゅ)までの千島列島全体が、1875年の樺太・千島交換条約で平和的に決まった日本の歴史的領土であり、その返還を堂々と求める」とする、日本共産党の主張には私はもっとついていけない。
 スターリン時代のソ連の領土拡張政策を批判するのはよいが、全千島を領有を日本が主張すべきだというような明治時代的発想はよくない。

 2009年5月31日記 樺太・千島を考える 
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Category: 時局争論
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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