2013/02/09 Sat
2月9日、NPO法人「福祉サービス評WACCH」の「視点学習会」に参加させていただいた。このNPOには2005年の設立当初から縁あって、監事をさせていただいている。といっても私の役割は、年1回の監査と、これまた年1回のこの学習会で お話しさせていただくことくらいである。
今回いただいたテーマは、「社会保障制度改革と第三者評価の課題」。おかげで一晩かかって社会保障制度改革推進国民会議の全資料と議事録などをすべて読むことができた。
第三者評価の課題については、私が2004年に「社会福祉・社会保障大事典」に書かせていただいた拙文から出発して考察してみた。
第三者評価事業は、措置制度から利用契約制度への移行による福祉の市場化の中で、福祉サービスの質の維持向上と利用者の選択に資する情報提供を目的いとして2004年度から本格実施された。
しかし、その現状は、一言でいえば「不発」である。何せ、第三者評価を受審している福祉施設の数がごくわずかである。ほとんどの施設種別で受審率は極めて低い。また、全国的も東京都を除けば、第三者評価受審はきわめて低調で、例えば平成23年度では、大阪府はたったの50件だが、これでも全国で6番目に多い。21県が一桁で、ゼロが茨城県や岡山県などである。
このような状態では、とても事業として機能しているとは言えない。平成24年度から社会的養護施設は3年に一度の受審が義務つけられた。

一方で、第三者評価ではないが、介護保険事業所の「介護サービス情報公表」は、2006年度から義務つけられたが、公表手段がインターネットのみであったため、圧倒的多数の高齢者・家族から利用されず、何のために膨大な手間ひまをかけているのか、関係者のなかでは疑問の声が上がり続けた。さらに、調査手数料が高額であったため、事業者側から猛反発を受けた。全てのサービス事業所が自ら報告した基本情報に加えて、調査員が事業所を訪問した結果である調査情報を公表するという、ある意味画期的な制度であったが、存在価値を示せないまま、関係者からの反発と、利用者団体である「認知症の人と家族の会」までも事業者に同調し、「サービス情報公表制度廃止」を要求するというという事態にまでなった。2011年介護保険法改正で、情報公表制度は大幅に緩和され、調査は「必要時」のみとされ、多くの府県では、事実上「任意」扱いとなった。また、「手数料収入に依存しない」とされた。

福祉サービス第三者評価と介護サービス情報公表制度の経過をみると、政府厚生労働省は、「サービスの質の確保向上、利用者の選択に資する情報提供」を本気で推進していたか疑わしい。
利用契約方式と市場化への国民の不安に対し、「アリバイ」的に打ち出し、有効に発展させることもできず、第三者評価は「不発」、サービス情報公表は、「骨抜き」となったと言えるだろう。
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Category: 社会保障問題
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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