2013/04/01 Mon
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毎年4月になると、私の職場である区役所の周辺には桜が咲き乱れる。
私にとっては、公務員人生を変えた桜である。
 この風景を見ると、14年前の4月1日、本庁の社会福祉施設監査担当課から不当配転で、ここに飛ばされたことを思い出す。社会福祉施設での不正事件の実行者をかばう市当局に対抗し、あえて「公務員」個人で刑事告発に踏み切った。
 あれから13年間。この区役所の介護保険担当に「島流し」。しかし、私は、封じ込められるどころか、介護保険を告発する闘いの場を得た。私の公務員人生の転換となった日の桜風景である。


2000年4月 私が刑事告発した理由( 一公務員の挑戦状)

 大阪府警への告発状(2000年4月7日)
福祉情報公開裁判を応援する会発足集会参加者の皆様へ(2002年3月)

2000年当時、私がある雑誌に投稿した記事の抜粋。



  一公務員の「挑戦状」
社会福祉法人の不正告発にかけた期待
                      

堺市事務職員  日下部 雅喜

はじめに
 四月七日、この三月まで堺市の監査担当職員であった私は、「個人」として社会福祉法人「堺福祉会」理事長ら四人を刑事告発した。これは、堺市から特別養護老人ホームに支払われた公金(措置費・委託料) から二億三千万円以上が理事長の一族によって横領されていた不正経理事件に対して、堺市当局が不正関与者らをかばうような態度をとっていたことに対する、一公務員の「挑戦状」のつもりであった。
(中略)

公務員の「守秘義務」と「告発義務

 私が「個人」で行った告発に対し、堺市幹部は「公務員の守秘義務(地方公務員法第三十四条)に抵触する」などとマスコミに説明している。私が警察に提出した告発状は堺市が四月五日に公表した「監査結果」と同一の事実に基づいておりすでに「秘密」 でないのでこれは完全な言いがかりであるが、この「守秘義務」はその解釈を誤ると当局の都合の悪いことは一切秘密で、市民に漏らしてはならないという「秘密主義行政」に公務員を縛り付けることになるが、堺市幹部の発想はまさにこれである。
一方で、刑事訴訟法では、犯罪があると思料するときは「何人」 でも告発でき、また告発するかどうかは本人の自由とされているが、公務員については 「職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発しなければならない」と告発義務を定めている(刑事訴訟法二三九条第二項)。これは職務上発見した犯罪を行政当局が隠蔽しようとすることは許されず刑事告発により捜査機関に委ねることを義務化したものである。
私の今回の告発は、刑事訴訟法に基づく告発義務を堺市幹部が実行しようとしないため、やむなく個人として行ったものである。
 
 「組織」 と 「個人」
 「個人行動では組織が成り立たない」…私の告発に村し、ある市幹部が新開に述べたことばである。しかし、本来住民福祉と法の守り手であるべき地方自治体で、現場の監査担当職員の意見を市幹部が握りつぶしてまで、福祉を食い物にした犯罪者をかばうというような異常事態の下では、法に定められた権利と義務に基づき公務員が「個人」として行動する権利が認められていいのではないだろうか。反動政府や保守自治体には不正や癒着はつきものであり、一部の利益のために犯罪行為すら隠蔽するということすら横行し、国民の行政への信頼を失わせ「租織を成り立たせなくしている」例は各地の警察不祥事で枚挙にいとまがないほどある。
 「組織」と「個人」…一見対立するように見えるが、少なくとも「住民の安全と福祉の保持」を目的とする地方自治体という組織の本来の目的に照らして、公務員が個人として行動することは、自治体組織を内部から正して立ち直らせていく原動力になるのではないか。とくに、犯罪行為がからんでいる場合は、刑事訴
訟法で定める公務員の 「告発義務」は「内部告発権」を保障されていない公務員にとって使い方によっては有力な武器となる可能性を持っている。私が、個人での告発にかけたのはこの点である。

 住民の 「知る権利」 と
   公務員の 「報告する権利」

 主権者は住民であり、その「知る権利」は保障されなければならない。にもかかわらず守秘義務や組織規律を口実に公務員をしばり不正を隠蔽しようとする行政運営は民主主義の原則に反するものである。
 この点では、自治労連が九七年に作成した「自治体労働者の権利宣言案」 で「住民の基本的人権とプライバシーにかかわる事項を除き、自治体行政の現状と課題を住民に報告できる権利を有する」としていることは注目に値する。

 告発-その後
 私の告発について、マスコミが「異例の個人名での告発」(朝日)と報じたこともあり市民の反応は予想以上に大きなものがあったが、寄せられた手紙や電話はすべて「よくやった」という主旨のものであった。市役所内でも多くの職員が評価し励ましてくれたが、市当局は、四月二十八日に堺福祉会への「業務改善命令」(社会福祉事業法第五十四条) を行ったが、前理事長らへの刑事告発はいまだに行っていない。
一方、四月十五日には、弁護士や市民運動家のよびかけで「考えるつどい」が開かれ 「堺市に刑事告発をさせる会」が発足し、堺市への申入れとともに堺福祉会不正事件についての公文書公開請求も行った。これに対し、堺市は五月二日に「非公開決定」を通知してきたため、会は不服申立を行い市民の 「知る権利」も争点になってきている。会では住民監査請求などの取り組みとともに、今後この運動を「福祉・介護の市民オンブズマン」発足へと発展させることも検討されている。
一公務員の「挑戟状」はささやかではあるが、社会福祉再編の時代に一つの運動の端緒にはなったと言えるのではないだろうか。(2000年5月 記)
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プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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