2013/10/12 Sat
 給付抑制へ、世論誘導図る厚労省。10月11日付けの日経新聞1面トップである。
 要支援認定者に対する介護保険給付(予防給付)を3年間で全廃し、「要支援事業」なるものに移す。NPO、ボランティア等の活用で安上がりにし、さらに、費用額について「事業ごとの上限」を設けて上限管理を行う。まさに徹底した削減である。
 ところが日経新聞にかかるとこのような記事になる。
日経新聞介護記事

 
 ご丁寧に「削減効果」のグラフまで厚労省資料を加工して掲載している。
 日経グラフ
 
 これは、10月16日開催予定の第51回社保審介護保険部会での厚労省案のリーク記事だ。
 この記事は、厚労省の説明そのままに、
 「介護が必要と認定された人のうち、症状の軽い要支援者(現在約150万人)向けサービスを15年度から3年かけて市町村が運営する事業に移す。」
 「市町村移管後も要支援者が従来利用してきた介護サービスはそのまま使えるよう配慮する。要支援の認定やサービスを受ける計画(ケアプラン)作りも従来通りとする。」
 と、要支援者に対するサービスが保険給付から廃止されても、そのまま利用できるかのように描き出したうえで、「掃除や洗濯、買い物など家事の手伝いにホームヘルパーを使ったり、同世代との交流でデイサービスに通ったりといった過剰な介護サービス利用は見直す。 」と、ヘルパーの家事援助やデイでの交流が「過剰サービス」であると決めつけている。
 地域支援事業に移され、費用額の「上限管理」ができることを「事業費がむやみに膨らまないよう、厚労省は政令で上限を設ける」と、評価するなかみとなっている。

 国民に介護保険改悪内容が知られていないことをいいことに、まだ、社保審介護保険部会が開かれる前から、こんな翼賛記事を書かせる厚労省のやり方はいかにも汚い。
 広がる「要支援者150万人の保険切り捨て反対」の声を打ち消そうと厚労省もあの手この手の攻勢である。

10月11日の日経新聞
介護費用総額に上限 軽度者対象、15年度から 厚労省案 
 厚生労働省は、介護保険サービスの費用の伸びを抑制する仕組みを導入する。症状が軽い人向けの介護予防事業を対象に2015年度から年間の事業費に上限を設け、75歳以上の高齢者人口の増加率並みの年3~4%に伸びを抑える。25年度には2000億円の抑制効果が見込まれる。高齢化の進行で税金や保険料による国民負担が膨らむのに歯止めをかける。
 介護が必要と認定された人のうち、症状の軽い要支援者(現在約150万人)向けサービスを15年度から3年かけて市町村が運営する事業に移す。市町村は毎年度の予算の中で、軽度の介護サービスをどれだけ提供するか決める。その際事業費がむやみに膨らまないよう、厚労省は政令で上限を設ける方向だ。
 上限は、介護の利用が増えてくる75歳以上の人の数と連動させる。軽度の介護サービスの費用は現在、75歳以上の人口の増加率を上回る年5~6%で増えている。市町村への移管当初は全国計で6000億円を見込み、10年後の25年度には従来の伸び率なら1兆円を超えるのを、2000億円少ない8000億円程度に抑えられる見通しだ。
 軽度の介護の事業費は税金と保険料からなる介護保険財政から支出する。介護全体でみれば1割未満で対象者数も3割弱だが、部分的でも給付の総額に枠をはめて管理する仕組みは珍しい。
 05~06年の医療制度改革では医療費の伸びを経済成長率の枠内に抑えるよう政府の経済財政諮問会議が提案したものの、医療界や厚労族議員らの抵抗で頓挫。かつての自公政権は07年度から5年間、社会保障費の伸びを年2200億円抑制する方針を掲げた後、高齢者などの反発で撤回した。
 厚労省が軽度の介護サービスの見直しに乗り出すのは、高齢化で介護費の膨張が加速しているため。自己負担も含めた総費用で13年度(当初予算ベース)の9・4兆円から25年度には2・2倍の21兆円に増える見込み。
 市町村移管後も要支援者が従来利用してきた介護サービスはそのまま使えるよう配慮する。要支援の認定やサービスを受ける計画(ケアプラン)作りも従来通りとする。
 市町村事業では訪問看護などのサービスは移管前とほぼ同じ基準で運営される。一方、掃除や洗濯、買い物など家事の手伝いにホームヘルパーを使ったり、同世代との交流でデイサービスに通ったりといった過剰な介護サービス利用は見直す。
 厚労省は、16日に開く社会保障審議会介護保険部会で素案を示す。来年の通常国会に提出する介護保険法改正案に盛り込む方針だ。


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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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