2013/11/27 Wed
 介護保険制度はじまって以来の大改悪である①要支援者のヘルパー・デイサービスの保険給付外し ②2割負担導入に対し11月27日に開かれた第53回社会保障審議会介護保険部会の意見書素案では、
 ①は「以上のとおり、予防給付の見直し全般については、概ね意見の一致を見た。・・・
 ②は「高齢者世代内で相対的に所得の高い方に更なる負担を求めるべきであるという点については、概ね意見の一致を見た一方で・・・

 という表現である。後半に「懸念意見」「反対意見」なども申し訳程度に書かれているが「概ね意見一致」というのが「意見書案」である。

 これに対し、委員の中では、完全に反対する意見は、勝田さん(認知症の人と家族の会)ただ一人だったという。
勝田登志子委員の意見 
 8月28日の介護保険部会以来、認知症の当事者団体として、認知症の本人、介護家族の声を発言してきました。残念ながら「介護保険制度の見直しに関する意見(素案)」は、当事者
の声はほとんど反映されていなく、今後の介護保険制度や認知症施策に不安を隠せません。憲法25条にいう「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」2項
では「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」としています。
 素案2Pには「今回の制度の見直しは、地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度の持続可能性の確保」の2点を基本的な考え方としています。素案では効率化・重点化を最大のもの
として「要支援1・2 の9割を占める訪問介護と通所介護を介護給付から市町村事業へ丸投げ」や「特別養護老人ホームへの入所を要介護3以上に限定」など、社会保障の向上や増進とは真逆の方向にあります。
 私達はこの間、当事者の声を聞いてほしいと、6 月2日の総会アピールや10月12日の全国支部代表者会議アピールなどを部会や関係団体に提出してきました。特に認知症施策については、65歳以上の15%が認知症であり、13%が軽度認知障害とされている現在、参考資料の119Pでは、2025 年を見据えた第5期計画の中でも、地域包括ケアシステムを構築させる取り
組みのスタートとして「認知症支援策の充実」を掲げていますが、地域包括ケアシステムの目玉であり、在宅介護を支える「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」の利用は166保険者で
4,261人です。第5期介護保険事業計画の実施見込み25年度の目標12,000人の3割にすぎません。
 今回の要支援1・2 のうち、訪問介護と通所介護を市町村事業に移行することには反対です。
地域支援事業の対象となる「軽度認知障害」は400万人であり、5年間放置すれば半数が認知症になると言われています。
市町村事業では、多様な主体による多様なサービスを受けることが出来るとされていますが、このサービスは軽度認知障害の人達には有効なサービスではありません。初期集中支援チーム
による対応とありますが、早期診断を担う医療機関数は29年度までで500箇所の目標であり、認知症地域支援推進員も29年度末で700人です。これで400万人の対応ができるの
でしょうか、ますます認知症の人が増えることを懸念します。
 80Pの地域包括ケアシステムの中核となる「地域包括支援センターの機能強化」では、周知率は3割弱であり、市町村の評価は30.2%となっています。センターの4分の1 は業務量
が過大と認識しており、8Pでは現在の業務に加えて「在宅医療・介護の推進」「認知症施策の推進」「地域ケア会議の推進」「生活支援サービスを担う事業主体の支援体制の充実・強化」「全ての市町村における総合事業の実施」を行うとされていますが、今回の改正の大半が地域包括支援センターにゆだねられるといっても過言ではありませんし、これでは職員を倍にしても十分な対応は出来ないと思います。何よりも国家戦略とした「認知症施策推進5か年計画」の大半も集中しています。私達の期待するオレンジプランもこれでは埋没してしまう懸念がありま
す。
 特別養護老人ホームを「在宅での生活が困難な中・重度の要介護者を支える施設」と見直すとありますが、要介護1・2 でも、また要支援認定者でも「在宅での生活が困難な人」は存在
します。また、要介護3 以上に限定してもさまざまな特例を設け、「概ね意見の一致が見られた」とありますが、「特養待機者」を減らすことはできるかも知れませんが、在宅介護をする
家族は「いざとなったら特養が利用できる」と心の拠りどころにしている人たちがたくさんいます。要介護3 以上に限定することは、在宅で精いっぱい介護している家族介護者を落胆、失
望させるという影響が懸念されることを強く訴えます。

 
 傍聴者の報告によると
 「介護保険制度の見直しに関する意見の素案が本日出て、ほとんどの委員から大筋合意という意見が出てしまったので、多少意見があった書きぶりについて、事務局と部会長で修正して次回に出てきて合意って感じの流れが決まったという感じです」

 とんでもない「翼賛」介護保険部会である。


 次回(12月20日?)での取りまとめを許さない声を 厚生労働省 社保審介護保険部会事務局へ突き付けよう!
 厚生労働省老健局総務課 kaigobukai@mhlw.go.jp
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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