2013/12/05 Thu
 介護保険料に怒る一揆の会、年金者組合大阪府本部、大生連は、12月4日午後、不服審査請求について大阪府介護保険審査会に申し入れを行いました。4年越しのたたかいで、審査請求に対する「嫌がらせ」(審査請求者に質問状を書き留め郵便で送りつける)と「門前払い」(制度問題は不適法として却下)をやめさせました。一揆の会のたたかいの粘り勝ちです。

「本案審査の対象は広く捉える」と明言し、門前払いしないことを確認した大阪府介護保険審査会事務局


追及する高齢者


口頭意見陳述申し立てを提出

 

 大阪府介護保険審査会は2009年度から、審査請求人に対し一律に「お尋ね文」を送りつけ、多くの審査請求を内容審査に入らず「却下」(門前払い)とする不当な扱いを行ってきました。
 一揆の会は、その後、4年間にわたって、この審査請求妨害に抗議し、いやがらせに屈せず審査請求を出し続けてきました。今年は、ここ六年間で最多の809件の請求提出となりました。
 本年八月に府審査会に対し、従来の差別的かつ不当な扱いを中止し、速やかな内容審査を行うようを求めてきました。
 一律の「お尋ね文」は中止
 その結果、今年は従来のような一律の「お尋ね文」送付は行わず、大半の審査請求は、処分庁の弁明書が送られ、内容審査に入ることなっています。
 一律「お尋ね文」送付・門前払いを許さなかったことは、四年越しのたたかいの成果といえます。
 12月4日には、府審査会に対し、口頭意見陳述の申立てを行うとともに①速やかに誠実な審査を行うこと②口頭意見陳述への委員出席 などを申入れました。


解説

大阪府介護保険審査会の審査請求妨害とのたたかい

 「介護保険審査会」は、被保険者の救済機関であり、審査請求された案件について、処分を行った市町村等に事実確認を行った上で、法律や条例にもとづいて正しく処分されているかどうかを審理し、裁決する機関である。
ところが、大阪府介護保険審査会は、介護保険料に怒る一揆の会が毎年大規模な集団不服審査請求運動を取組むようになるとその姿勢を変えてきた。
口頭意見陳述に審査会委員が出てこなくなる
まず、口頭意見陳述である。 2000年~2002年度までは、審査会委員が全員出席して口頭意見陳述を行ってきた。意見陳述する人の中には、審査会委員に「私たちの訴えをどう思うか、答えろ!」と詰め寄る場面もあった。ところが、これに懲りたのか、2003年度から「委員は出席せず、職員が聴取する。その代わり意見陳述内容をテープ起こしして文章化する」という対応に変えてきた。一揆の会の高齢者たちは、「意見も聞かないのは審査会員としての職務放棄だ」「委員は出てこい!」と毎年抗議しているが改まっていない。
審査請求者にいやがらせ、門前払い
 さらに、2009年度からは、不服審査請求を行った人に対し、「お尋ね文」なるものを送りつけるようになった。審査請求の「趣旨」が「保険料」なのか「介護保険制度」なのか回答させ、介護保険制度ならば「審査の対象外」の不適法な審査請求なので、内容審査に入らず門前払い(却下)にするというのである。形式的にも内容的にも適法な不服審査請求書に対しイチャモンをつけ、介護保険制度に文句を言う者は門前払いにするという違法な行為である。
厚労省官僚が直接指揮
 当時の大阪府知事は、「大阪維新の会」の橋下徹で、大阪府の福祉施策はことごとく切り捨ての対象となっていた。この大阪府介護保険審査会の動きも当時の橋下府政の動きと関連するものであった。さらに、当時の大阪府の介護保険審査会事務局の担当課(介護支援課)の課長は、厚生労働省から「派遣」された熊木正人という人物で、介護保険制度開始時に介護保険料の制度設計を手掛けた人間である。
審査請求をした人に、文書を送りつけて威嚇する手法は、すでに2001年に東京都の介護保険審査会がやっていた。東京都では、審査請求を出した人に、どういう意図で審査請求をしたのか、という「釈明書」を求める文書を書留郵便で送りつけた。「気軽」に審査請求を出した高齢者は、東京都庁からいきなり送られたいかめしい文書に動揺した人も多かったという。厚労省から来た熊木課長はこの東京都方式で、大阪の介護保険料一揆の会と不服審査請求運動を潰そうとしたのである。
妨害許さず、門前払いを中止させる 
 しかし、大阪ではこれに負けなかった。審査会事務局に抗議を行い、様々な申し入れと交渉を重ねながら、いくら門前払いになっても毎年審査請求を出し続けた。「制度問題は審査対象としない」という審査会事務局に対し、審査請求の書き方をより具体的にするなど工夫もし、弁明書が届かなくても多くの人が「口頭意見陳述申立書」を提出し、その場で介護保険審査会に抗議するなど、さまざまな取り組みをおこなってきた。2010年度は460件に落ち込んだものの、その後は、毎年審査請求者を増やしながら2013年度は再び809件まで盛り返した。この審査請求者の多くは後期高齢者医療保険料や国民健康保険料にも同時に審査請求を行っている。2009年度は、審査請求のうち9割が「却下」にされ、弁明書も内容審査もなかったが、抗議と交渉を繰り返す中で、2012年度は、4割近くは、却下にならず内容審査まで持ち込めるところまで回復させた。
 そして、2013年12月4日の申し入れの場で、審査会事務局は「一律のお尋ね文は送付しない」ことを確認、「幅広く本案審査の対象をとらえる」と明言し、門前払い策動に終止符を打ったのである。
 いやがらせや脅しには屈せず、断固としてしつこく闘う。ねばった方が勝ちである。
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Category: 介護保険料
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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