2014/01/05 Sun
 私の記憶では、かつてない長期間の「年末年始休み」となった日本の役所。

 私も役人のはしくれとして、その恩恵を享受している立場なので、あれこれ言う資格がないことを百も承知で、後ろめたさを強く感じながら、あえて書くことにする。
 
 日本の官公庁では「行政機関の休日に関する法律(昭和63年12月13日、法律第91号)」により、「12月29日から1月3日まで」を休日として定めており、12月28日を仕事納めとして、その年の最後の業務日となっている。今回は、その12月28日が土曜日にあたるため、一日早く12月27日が仕事納めとなった。年明けの業務開始日(仕事始め)は官公庁では1月4日である。しかし、これも今年は1月4日が土曜日、5日が日曜日に当たるので、その翌日の1月6日が業務開始日となる。
 実に、日本中の役所は、 12月28日(土曜日)・29日(休日・日曜日)、30日(休日)、31日(休日)、1月1日(休日)、2日(休日)、3日(休日)、4日(土曜日)、5日(日曜日)と 「9連休」となった。

 したがって、わが市の区役所正面玄関にはこのような張り紙が掲示されている。 


 ヨーロッパのようなバカンス(長期休暇)がない日本で9日間も一斉に休めることは、当事者にとってはとてもありがたい。また、役所(公的機関)が休業することによって、民間企業なども休みとなるなど、民間労働者にもその影響は波及する。

 しかしである。住民の「いのちとくらし」を支える 地方自治体、とくに福祉部門の「長期休業」は、住民に極めて大きな影響を与えかねない。
 
 リーマンショック直後の2008年12月は、派遣切りによって住居を失った人びとに対し、東京・日比谷公園で「年越し派遣村」が生まれ、厚生労働省も一部施設を開放した。その翌年、年末ぎりぎりまでハローワークが対応し、一部の福祉事務所も窓口を開けて対応した。

 ところが、一部を除き、今回の「9連休」に対する自治体の福祉部門の対応は、ほとんどなされていない。一部では生活保護の申請受け付けくらいは対応可能であろうが、ほとんどのところで「給付」「貸付」は対応できないだろう。

 「介護」部門では、大多数の自治体は、無為無策のまま、「9連休」に入った。直接介護サービスにタッチしない「保険者」の立場は、実に「気楽」なものとの批判がある。

 年末最終日に、あるケアマネジャーの方から電話を受けた。
 「役所が長期間休みの間、緊急に介護が必要になった時、どのように対応してくれるのですか?」
  
 返答に窮した。
 要介護認定の、区分変更と新規申請のついては、1月6日に窓口に持参されても、役所が休業日の日(例えば1月1日付け)にさかのぼって受け付けることはできる。しかし、対応らしい対応はそれだけである。
 あとは、休日時の緊急連絡先対応であるが、一般の居宅介護支援事業所には知らされていない。

 24時間・365日、介護がなければ生きていけない高齢者、障害者が、百万人単位で地域や施設で生活しておられる。

 私のつながっているフェイスブックやツイッターでも、ケアマネジャーやヘルパー、介護職員の皆さんが、年末年始に駆けずり回っている姿を拝見する。
 
 一方で私は、正月ざんまいで、好きなことをしている。「罪の意識」「後ろめたさ」を感じることしかできない、自分がなさけない。
 
 介護保険開始後、高齢者介護は、民間のケアマネジャーやサービス事業所に丸投げ、役所は「保険運営」と給付抑制だけ、という批判があるが、民間の介護従事者にすべてを押しつけて、役所の役人が、平然と「9連休」できるのも、その一つの「効果」かもしれない。
 しかし、これでいいのだろうか。

 カレンダーを見たら、今年の2014年~2015年の年末年始も、また、「9連休」(12月27日~1月4日)である。しかも、年末は12月27日が土曜日なので26日に早々と「仕事おさめ」となる。これで、住民や要介護者に「自助」で年越ししてください、というのはあまりにも無責任ではないだろうか。

 冒頭に書いたように、長期休みを享受しているだけに、言いにくい。しかし、今年は、何らかの問題提起はしていきたいと思う。
   

 ということで、午後から、少しだけ、職場に出かけてみようと思う。
 
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Category: 雑感・雑記
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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