2014/01/28 Tue
 1月24日から通常国会が開幕した。会期は150日。6月15日までである。

 消費税増税とセットの「社会保障改革」のトップを走るのが「介護保険制度改悪」である。いつ、どのくらいの時期に改正法案を提出するか、が当面する焦点である。そして、私たちの反対運動は、「改悪法案を提出するな! 国会を通すな!」が国会開会中の合言葉である。

 前回の介護保険法改正はこのような日程だった。
 前回法改正の経過
  2010年11月30日 社会保障審議会介護保険部会「見直し意見」
    11年 3月11日 法案閣議決定
        4月 5日 国会提出
        5月10日 衆議院厚生労働委員会付託
          27日 衆議院厚生労働委員会議決(一部修正)
          31日 衆議院本会議議決(賛成多数)
              参議院へ送付・提出
        6月 6日 参議院厚生労働委員会付託 
          14日 参議院厚生労働委員会議決
        6月15日 参議院本会議議決(賛成多数)


 政府が法案を閣議決定した日(2011年3月11日)に東日本大震災が発生した。そのためか国会への法案提出は4月5日 衆議院での委員会通過まではわずか17日間、参議院はわずか8日しか委員会審議期間である。
 ほとんど議論などされていないし、国民も知らないまま法改正がされた。しかし、この時は負担増案すべて見送られた改正であった。

 ところが、今回、安倍政権はとんでもないことを狙っている。なんと、介護保険改正関係と医療を「一括法案」で提出するというのだ。
 要支援者の保険外し、利用者負担の2割導入など、百万人規模での多大な犠牲の伴う大改悪を国会で追及されないため、「一括法案」で質問・追及時間を減らすのは狙いである。

 「一括化は政府が追及されたくないときやどさくさ紛れに法改正したいときによく使う手法だ。審議が進みやすいし、手続きの瑕疵(かし)が指摘されにくい」との指摘もあるように見え見えの追及かわし、批判そらしのどさくさ法改悪である。

 報道によれば国会開会し、この一括法案の与党内の審査が行われており、2月上旬に閣議決定が狙われているとのことである。与党議員でさえ「盛りだくさんだなあ」「何をやる一括法案か覚えきれない」と言っているという。

 まさにごちゃ混ぜのどさくさ法案提出、ドサクサ審議、どさくさ成立を狙っているのである。
 
 こんなやり方をぜったいに許してはならない。さあ、世論へ、訴え、広げ、マスコミを動かし、政府与党の悪辣なたくらみを暴露しようではないか。

けあZine2014年01月27日 07:00

「一括法案」で医療・介護は大丈夫なのか? ‐ 大森都


通常国会がスタートし、政府は医療・介護における諸々の法案を「一括法案」としてくくり、一気に成立させたい構えだ。しかし、これだけ多岐にわたる制度改正を「一括」で審議してしまって大丈夫なのか?そういった疑問が多くできているのも事実だ。本来国会とはどういう場であるべきか? ジャーナリストの視点から考えたい。

理解に困難を極める一括法案への風あたりの強さ
 1月24日から始まった通常国会を前に、医療介護の包括的な確保を推進する一括法案の与党審査が本格化した。政府は2月上旬には閣議決定し、今国会中の成立を期す考えだ。しかし、生活に密着したこれだけの改正を、もっとじっくり審議し、国民にていねいに理解を広める必要はないだろうか。与野党内からも「もっと慎重に進めるべきではないか」として、一括法案をいぶかる声が上がっている。

 「確かに盛りだくさんだなあ」。与党のある議員は法案の説明資料に目を丸くした。「何をやる一括法案なのか覚えきれん」。

 介護保険法改正だけでも、自己負担割合の引き上げから、要支援者向けサービスの見直し、地域支援事業の充実、補足給付の縮小、特養新規入所の要件を要介護3以上に限定など、多岐にわたる。

 医療法改正では、病床機能の報告制度や医師・看護師確保のための待遇改善策、特定の医療行為ができる看護師の制度創設や歯科技工士国家試験の全国統一化、医療事故調査の仕組み構築・・・。

 これに加えて、消費税収を活用した新たな基金を創設する法案も盛り込まれている。別の与党議員も「全く別の話を一括にできるのか」と法制局に確認したほどだ。野党は「国会審議で法案に対する批判を少なくするための奇策だ」として、法案の分割を要請。論戦はすでに場外で始まっている。

法案の成立率「打率」だけを重要視してよいのか?
 厚生労働省が今国会に提出する法案は、一括法案を含めて計11本にも上る。他も雇用や子育て、年金などいずれも重量級の法案で、一回一回の審議に相当の時間を要する。医療法と介護保険法の改正を一括法案として提出するのは、別々で審議するよりも少しでも審議時間を短縮できるとの効果を見込んだものだ。

 新規に提出した法案の成立率は、政府内では「打率」とも呼ばれる。報道各社も国会が閉じるときに成立率を計算するのが通例で、政権の安定を示す試金石でもある。民主党では、野田政権末期(2012年臨時国会)の打率は50%、1年後に安倍政権下で開いた臨時国会の打率は87%で、安定政権ぶりを見せつけた。

 野球と同じで、もちろん打率が低くては話にならない。打率を上げるのは、各省の国会対応の腕の見せどころであり、一括とすることで提出法案の総数を減らすというのは常套手段の一つだ。

制度改正の意義やねらいを伝える「場」として機能すること
 筆者は、政府や与野党の思惑は、実はどっちでもいいと考えている。しかし、それぞれの改正の意義やねらいが国民にきちんと伝わらなければ本末転倒だと、深く胸に刻むことを求めたい。

 特に、介護保険制度改正をめぐり、要支援者への訪問・通所介護を市町村の地域支援事業に移行する案については、市町村や介護現場で具体的な事業実施のイメージがつかめず、不安や混乱を呼んでいる。このままでは、3年間設けられた移行期間の初年度である2015年度に、実際に移行開始できる市町村は、全市町村の1割にはるか届かないだろう。

 国会審議は一見すると国民から遠い場のようだが、論戦を通して法案をかみ砕き、実に多くの疑問や矛盾を浮かび上がらせる場でもある。それを報道各社が取材し、報じる。

 国民が新たな疑問の声を上げ、それを材料にまた国会で質問が飛び交う。終わってみれば1本の法律が通っただけのことかもしれない。だが、そういった時間を惜しむべきではない。


2014年1月11日 東京新聞朝刊
負担増の追及回避? 介護+医療 一括法案提出へ 厚労省
 
 厚生労働省は二十四日召集の通常国会に介護保険と医療の見直しを一本化した法案を提出する。国民生活に大きく影響する個別の法案を一本化するのは異例。厚労省は医療と介護の連携強化方針に基づく対応と説明している。しかし、野党からは「負担増を国会で追及される機会を減らしたいのだろう」と反発が出ている。(我那覇圭)

 一括法案は、介護保険関連で(1)一割の利用者負担を一定以上の所得がある人は二割に引き上げ(2)特別養護老人ホームに入所できる人を原則として中重度の「要介護3~5」に限定-などが入る。医療関連では都道府県の医療計画策定を介護に合わせ五年ごとから六年ごとに変えることや在宅医療・介護推進の基金設置などが盛り込まれる。医療法や介護保険法の見直し部分を一括法案にまとめる。

 厚労省幹部は「医療と介護は不可分の関係にある」と、一本化の必要性を強調する。しかし、国会対策上の狙いもある。介護保険の見直しは負担増・給付減がめじろ押しで、民主党などは反対する見通し。一方、医療・介護の連携強化には野党も反対しにくいため、抱き合わせで徹底抗戦を封じようというわけだ。

 民主党の厚労関係議員は「前代未聞だ。これを認めたら、年金や介護など何でも一括化できることになってしまう。わが党は分割を求めていく」と述べた。

 与党の自民党にも批判がある。昨年十二月に開かれた自民党会合で厚労省が一本化方針を説明したところ「医療と介護は全然違う話だ。なぜ一括になるのか」などと批判が相次いだ。

 参院法制局の元参事で「国会とは何か」の著書がある清野正哉(せいのまさや)・会津大上級准教授は「一括化は政府が追及されたくないときやどさくさ紛れに法改正したいときによく使う手法だ。審議が進みやすいし、手続きの瑕疵(かし)が指摘されにくい」と説明している。


スポンサーサイト
Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索