2014/04/23 Wed
国会では医療介護改悪法案が審議中だが、私たちは、4月25日に厚生労働省に「説明」を求めている。

大阪社保協として厚生労働省に出した質問である。
しっかり答えていただくことを期待している。

 
   
4月25日レクでの介護保険制度改正問題に関する質問内容


1. 利用者負担の見直しについて

(1)所得により利用者負担を2割にすることについて、「サービスの利用控えが起きる」という懸念があるなど、社会保障審議会介護保険部会でもさまざまな意見がだされている。
①厚生労働省としては「一部の意見」をどのように受け止めているのか
②利用控えが起きることについての厚生労働省の認識とその「対策」についてどのように考えているか

(2)2割負担とする所得の基準について、「政令事項であり、法律成立後に定める」(平成26年2月25日全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料91頁)としているが
①利用者の費用負担の実態調査及び広く意見を聞く機会を設ける予定はあるのか
②政令改定は具体的にいつ頃を想定しているのか

(3)2割負担とする基準は「合計所得160万円以上」(同資料91頁)とし、毎年6月に行う保険料段階区分と同時期に、前年所得により自動的に負担区分割合(1割又は2割)をシステムにより判定」「毎年8月から7月まで有効な書面を発行する」(同資料102頁)としているが
①合計所得は総所得と異なり繰越控除・特別控除の適用前の金額であり、居住用財産を買い替えた翌年などは急上昇するという不利益はどうするのか
②前年所得より当年度の所得が著しく減少している場合などの軽減措置は予定しているか
③夫婦世帯で、一人が所得160万円以上で、もう一人が無収入である場合や夫婦二人とも多額の介護費用等が発生している人などに対する救済措置は予定しているのか

(4)この2割負担への変更は、第1号被保険者のみ(改正法案第49条の2ほか)とされ、「高齢者世代内の負担の公平化を図る」(同資料91頁)とされているが
 ○65歳年齢到達により、介護保険料が急上昇した上に、利用者負担が倍加するという二重の負担増について納得が得られると考えるか

(5)一定以上所得者の高額介護サービス費の限度額見直しについて
 ○対象となる利用者の人数及び負担増の見込みを具体的に明らかにされたい

(6)利用者負担引上げで影響を受ける利用者数(居宅、施設別及び要介護度別)と財政影響額について明らかにされたい

(7)自治体の判断で、利用者負担を据え置く、または 引上げ対象の所得金額を変更するなどの独自の利用者負担軽減措置は可能と考えるが、厚生労働省の見解について明らかにされたい
 
2補足給付の見直しについて

(1)見直しに伴う新たな「要件」について
①金融機関への預貯金の照会は「必要に応じ」(同資料93頁)としているがどの程度を想定しているか
②不正受給の場合、給付額返還に加えて、「2倍の加算金」(法案22条)とされているが、他に例を見ない「2倍返し」とした理由はなぜか
 ③配偶者の有無及びその課税状況についての確認方法は具体的にどのように行うのか
 ④住民税が課税となるのは年金収入「155万円超」であるが、別居で生計も別な配偶者が、この程度の収入で、施設入所者の居住費・食費を負担できると考える根拠は何か
 ⑤非課税年金について、第2段階・第3段階判定の際に年金収入額に含めるために、「情報提供を可能とする仕組みを設ける」(同資料93頁)とあるが、この非課税年金額の扱いは、今後も補足給付に限定したものか(高額介護サービス費の限度額・介護保険料の所得段階には関係することはないか)
 
3 特別養護老人ホームの重点化について

(1)本年3月25日に厚生労働省が公表した特別養護老人ホーム入所申込者の状況について
①「在宅以外」の26万人の内訳について詳細資料を示していただきたい
②公表資料は、都道府県によって集計基準が異なり、大阪府などに至っては要介護別に把握できていないが、今後、正確なデータを集計・公表する予定はないか

(2)重点化にともなう特例措置、経過措置について
 ①要介護1,2の「やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難」の内容について、同資料232頁に例示があるが、具体的内容はどのようなものか
 ②「市町村の適切な関与」(同資料231頁)とは具体的にどのような入所決定の仕組みを想定しているのか
 ③要介護1,2の既入所者及び制度見直し後に要介護1,2に改善した人については「経過措置を置く」(同資料231頁)とあるが、どの程度の期間を想定しているのか
 ④制度見直し後の入所者で要介護1,2に改善した場合は、「やむを得ない事情」がある場合は、「特例的に継続入所を認める」(同資料231頁)とあるが、これは新規入所の場合と同等の要件を想定しているのか。なお、この場合は「市町村の関与」はないのか

4 予防給付・総合事業

(1)「介護予防・日常生活支援サービス事業」の内容について「予防給付の訪問介護と通所介護から移行するサービスについては、国が基準を示すことを検討」(同資料378頁)とあるが、
①「訪問型サービス」(法案115条の45第1号にいう「第1号訪問事業」)について、「既存の訪問介護事業所による身体介護・生活援助の訪問介護」(同資料377頁)も含まれるとあるが、現行の介護予防訪問介護と同一の基準により提供されるサービスを指すのか
  ②「通所型サービス」(同法案同条にいう「第1号通所事業」)について「既存の通所介護事業所による機能訓練等の通所介護」も含まれるとあるが、現行の介護予防通所介護と同じ内容なのか。とくに機能訓練以外ではどのようなサービスを指すのか
 ③「生活支援サービス」((同法案同条項同号にいう「第1号生活支援事業」)について、「配食、見守り等」とあるが、訪問型サービスにおける「生活支援サービス」とどう区別されるのか
  ④これら「介護予防・日常生活支援サービス」のうち、とくに「専門サービス」については、「専門サービスにふさわしい単価」(同資料377頁)とあるが、具体的にはどのようなものか(既存の訪問介護、通所介護と同一基準のサービスを指し、事業単価も既存の予防給付の報酬の額を保障すると解釈してよいか)

(2)既存事業所以外の「住民主体の多様なサービス」について
①サービスの「質の確保」はどのように行うのか
②その提供により「事故」が起こった場合の賠償責任はどのように定めるのか
  
(3)「指定事業者」に対する指定及び指導監督について
 ○「第1号事業」を行なう者について、介護保険の事業者指定と類似した指定・指導監督の仕組みを導入(法案第115条の5から9)しているが、「住民主体の多様な生活支援サービス」などについてもその対象となり得るのか
 
(4)利用手続き及び利用者のサービス選択権について
「専門的なサービスを必要とする人には専門的サービスの提供」(同資料377頁)、「ケアマネジメントで必要性が認められれば、事業移行後でも、必要に応じて既存サービス相当のサービス利用が可能」(同資料380頁)としているが
①現に予防訪問介護、予防通所介護を利用している人は、事業移行後も希望する場合は、現行と同一のサービスが利用できると解釈してよいか
②訪問介護の「生活援助」についても、「専門的サービス」として、既存の事業所の訪問介護員により現行どおり提供できるか
③通所介護の「機能訓練等以外」のサービスについても、既存の通所介護事業所で現行どおり提供できるか
 ④新規の要支援認定者を含めて、利用者の希望に基づく「サービス選択権」についてはどのように保障されるのか
 
(5)介護予防・生活支援サービス事業対象者判定について
介護予防・生活支援サービス事業対象者は、「基本チェックリストを対面で用いるなどにより判定」(同資料377頁)とされているが
①対象者判定の具体的は方法はどうなるのか(市町村窓口で申請を行い、その場で市町村職員が基本チェックリストで対面調査を行うなどの方法を想定しているか)
②基本チェックリスト判定のみで利用が可能となると、自治体窓口で、要支援認定申請そのものを受付しないなどの「水際作戦」の危険性があるが、厚労省としてこれについての対策を検討しているか

(6)総合事業(介護予防・生活支援サービス)のマネジメントについて
  「地域包括支援センター等が、利用者の意向や状態象等を踏まえ、ケアマネジメントに基づき総合事業と予防給付の適切な利用を支援」(同資料377頁)とあり、新法案115条の45の3では、要支援者以外の「第1号介護予防支援事業」についても指定事業者による実施が可能となっているが
 ①これは既存の居宅介護支援事業者も指定を受けることを想定した規定なのか(地域包括支援センター以外に第1号介護予防支援事業の指定を受けることを想定しているか)
  ②総合事業のケアマネジメントの具体的な取扱はどのようなものか(予防プランの様式、アセスメント、モニタリング、担当者会議等は、どのようなものを想定しているか)

(7)利用料について
 介護予防・生活支援サービスの利用料について、市町村による設定としながら、「下限については、要介護者の利用者負担割合を下回らないような仕組み」(同資料378頁)とあるが
○訪問型サービス、通所型サービスについて、既存事業所のサービス利用料を市町村独自で軽減することは可能か

「住民主体の生活支援サービスについては実費のみ負担するケースも想定」(同資料380頁)としているが
○「実費」とは、サービスにかかる費用を全額利用者負担にする場合もあるということか

(8)限度額
  利用限度額については、「現在の要支援者の限度額を勘案した額を勘案した額で管理を行う」(同資料378頁)としているが
 ①要支援認定者については、現在の区分支給限度基準額を用いて、サービス量についても「単位」数で算定するということか
 ②要支援認定を受けない人の限度額はどの程度を設定するのか
 ③要支援認定を受けない人は現行では被保険者証に限度額の記載がないが、どのような方法によって限度額を表示するのか

(9)実施時期について
 ①新総合事業ガイドライン案はいつ提示するのか
 ②新総合事業実施時の対応について
・「みなし指定」は全ての既存指定事業所に適用されるのか(市町村判断で一部を除外することは可能か)
・「新規認定者から移行する」(同資料379頁)など柔軟な扱いとは、既認定者は要支援の更新認定を受けたのちも予防給付が継続するという趣旨か
③既存事業所以外の「多様なサービス」について
・新法の指導監査条項は多様なサービスにも適用を想定しているのか

5 介護保険料
 
①新法案142条の規定により、低所得者保険料軽減の財源を公費(一般財源)で補てんする仕組みが新たに導入されたが、従来の「減免3原則」の見直しは行わないのか
 ②低所得者のさらなる軽減(例えば第1・2段階を基準額の0.1以下にする)等の措置を独自で行うことは可能か
 

 

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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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