2014/04/27 Sun
 4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。大半が「法案成立以降に」「今後検討」「夏以降お示しする」といったものが多かったが、厚労省が見直しを決めた「根拠」や見直し後の運用についていくつか明らかになった。
 14厚労省レクチャ
 4月25日参議院議員会館


その① 利用者負担割合引上げ問題
 調査一切なしで「負担可能だ」と強弁する厚労省

事前に出していや質問は
1. 利用者負担の見直しについて
(1)所得により利用者負担を2割にすることについて、「サービスの利用控えが起きる」という懸念があるなど、社会保障審議会介護保険部会でもさまざまな意見がだされている。
①厚生労働省としては「一部の意見」をどのように受け止めているのか
②利用控えが起きることについての厚生労働省の認識とその「対策」についてどのように考えているか


厚労省老健局介護保険計画課の回答は
①②
回答)利用者負担が2割になる一定以上の所得者の基準については合計所得160万円以上と考えている。
これは、収入の基準と高齢者の平均的消費支出を比較すると、一定の 余裕があるので、必要な介護サービスを利用することは可能と考えている。また、高額介護サービス費により、自己負担には上限額があるので、重度の方を中心に2倍になるわけではないということをご理解いただきたい。

 というものであった。

 所得160万円となる「収入」は、年金280万円である。(合計所得160万円+公的年金等控除120万円)
 厚労省はこれから、統計資料(無職高齢者単身世帯)での、平均消費支出が、170万円 という数字をひっぱてきて、
  280万円 - (税・保険料 45万円 + 平均消費支出 170万円) = 65万円 →これが余裕 
 という 「机上の計算」を行って、年金280万円の高齢者は、毎年65万円も 生活に余裕がある、と断定したのである。
 懸念される「利用控え」もまったく聞く耳持たず、「対策」も皆無 という 官僚答弁であった。

さらにこれについて次の質問で
(2)2割負担とする所得の基準について、「政令事項であり、法律成立後に定める」(平成26年2月25日全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料91頁)としているが
①利用者の費用負担の実態調査及び広く意見を聞く機会を設ける予定はあるのか


 厚労省としての利用者負担実態調査や利用者家族のなどの意見を聞くのか問うたが、

厚労省の回答は
回答)政令の閣議決定がなされる前にはパブリックコメントを実施する予定である。実態調査については、統計調査での高齢者の平均的消費支出との比較で基準収入は余裕があるという数字が出ており、負担可能と考えているので予定はしていない。

 パブリックコメントは行うが、2割負担にしても負担可能かどうかの、実態調査については予定なしで、「余裕がある」「負担可能と考えている」の1点張りである。

②政令改定は具体的にいつ頃を想定しているのか
回答)政令は、遅くとも年度内には閣議決定がなされることになる。
 という回答。

ならば、まだ時間があるのだから、調査をしてもよさそうなので、質疑応答で私から、
※質問)「パブリックコメントはするが実態調査はしないということか」と聞いたが、
厚労省回答)「そのとおり」

とまったく調査・実態把握をする気はなしである。こんなことで2割負担を導入してもよいのか。

 (つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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