2014/04/29 Tue
 4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。


 その④ お気楽厚労省! 特別養護老人ホームの重点化(要介護1,2の入所シャットアウト)

 厚労省が、今年3月25日に4年ぶりに「公表」した「特別養護入所申込み者数」。集計が各都道府県バラバラで不正確な上に、待機者52万人の半数を占める「在宅以外」の内訳が今回公表されなかったので、質問しておいた

事前質問
1)本年3月25日に厚生労働省が公表した特別養護老人ホーム入所申込者の状況について
①「在宅以外」の26万人の内訳について詳細資料を示していただきたい


厚労省老健局高齢者支援課の回答
回答) 特別養護老人ホーム入所申込者で「在宅でない人」263,754人
内訳は、 医療機関61,710人、 介護療養型医療施設9,301人、介護老人保健施設89,561人、 養護老人ホーム2,825人、軽費老人ホーム3,627人、グループホーム 19,691人、 有料老人ホーム 9,538人 その他 67,501人 である。

 そして、「提供資料」として「要介護度別、入院、入所施設等 内訳表」もくれた。
問題は、「その他」である。説明書きによると    
※「その他」には、「現在の入院、入所施設等」の内訳を全く把握していない都府県(秋田県、東京都、三重県、京都府、大阪府、高知県、佐賀県、沖縄県)等の人数を含む。
 大阪府を含めこれらの都府県は、在宅にいないが、どこにいるかを把握すらしていないというのである。無責任行政の典型である。

さらに事前質問では
②公表資料は、都道府県によって集計基準が異なり、大阪府などに至っては要介護別に把握できていないが、今後、正確なデータを集計・公表する予定はないか

厚労省回答は
回答) 入所申込者の実態について正確に把握したものになっていないというご指摘はもっともだが、各都道府県によってやり方がバラバラだが、これに基づいて都道府県は介護保険事業支援計画を作っている。
厚生労働省で、 特例入所の指針を検討していくが、その際に都道府県の計画をどのように定めているか、どのような実態になっているか、ということを考慮しながら作成していくことにしている。

 バラバラで不正確なことはみとめながら、各都道府県がこれで計画をつくっているので…という開き直り解答である。

質疑応答でさらに突っ込んでみた。

質問)入所申込者の実態調査については、特例入所の指針を作成する時に再度調査を行うということなのか。

回答)今の段階では再度調査をするということは考えていない。今の段階で出していただいたデータということ集計が終わっている。夏以降に指針を作っていく際には、各自治体で特養入所の必要な人のデータのとり方に差があることが今回わかったのでそれを踏まえて打ち合わせをやっていくということである。
 ようするに、今後も、正確な待機者調査はする気なし、ということである。正確な調査もなく、よくもさっさと、「特養入所者の重点化」(要介護1,2の入所シャットアウト)を決めたものである。
 介護地獄、高い介護費用による介護貧乏、介護破産、さらに介護殺人、介護心中、介護退職などなど、介護をめぐる悲劇が日本を覆っている時に、特養入所待機者52万人というたった4年で10万人も増えた実態を分かっていながら、このお気楽さ!  

申し訳程度に厚労省が言っている救済措置についての事前質問
2)重点化にともなう特例措置、経過措置について
 ①要介護1,2の「やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難」の内容について、同資料232頁に例示があるが、具体的内容はどのようなものか


厚労省の回答
回答)まだ決まっていない。厚労省として参考として例にあげているものは、
・知的障害・精神障害等も伴って地域で生活を続けることが困難な方、・家族等による虐待が深刻で、心身の安全安心の確保が不可欠な方、・認知症で常時見守りや介護が必要な方、・家族によるサポートが期待できない方 である。今後市町村と相談しながら夏以降示したい。


市町村の関与とは? 事前質問
②「市町村の適切な関与」(同資料231頁)とは具体的にどのような入所決定の仕組みを想定しているのか

厚労省回答
回答)市町村と相談できていないが、施設の入所決定委員会に市町村職員が参画することなどいろいろな形が考えられるが自治体の人員のこともあり、毎回委員会に参加するのもむつかしいこともあるので市町村と相談して今後も検討したい。
どだい無理なことを言い出して、できないのは市町村の体制のせい、とでも言うのであろうか

現入所者の経過措置について事前質問
③要介護1,2の既入所者及び制度見直し後に要介護1,2に改善した人については「経過措置を置く」(同資料231頁)とあるが、どの程度の期間を想定しているのか
厚労省回答
回答) 基本的に今入所している方、制度見直し後に改善した方については、このまま入所していただくことである。

念押しに聞いて見た
質問)すでに入所している人は基本的にそのまま入所可能と回答されたが、経過措置には5年とか10年とか期間がある場合が多いが、「期間なし」の経過措置という解釈でよいのか。
回答)特段の時期を限るということは考えていない。

今後入所する人はどうなる?
事前質問
④制度見直し後の入所者で要介護1,2に改善した場合は、「やむを得ない事情」がある場合は、「特例的に継続入所を認める」(同資料231頁)とあるが、これは新規入所の場合と同等の要件を想定しているのか。なお、この場合は「市町村の関与」はないのか

厚労省回答
回答)今後の指針で検討していくが、市町村の関与は、今まで施設に入所していた人なので、施設である程度その人の詳しい情報を把握しているので、施設の判断を尊重するということもあり得ると思う。 今年夏以降の市町村との打ち合わせで検討する。


すべて、夏以降、市町村と相談してから というこれまたお気楽な回答に終始した。

(つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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