2014/05/02 Fri
4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。

その⑦ 新たな総合事業の「介護予防・生活支援サービス事業」 

 予防給付から「移行」するとされている「介護・予防生活支援サービス事業」は
①訪問型サービス (ここに既存の訪問介護事業所も入る。ほかに、NPO・民間事業者等の生活支援サービス、住民ボランティアによるゴミ出し等の生活支援サービス)
②通所型サービス (ここに既存の通所介護事業所も入る、ほかにNPO・民間事業者等のミニデイ、コミュニティサロン、住民主体の運動・交流の場、リハビリ・栄養・口腔ケア等の教室等)
③生活支援サービス (配食・見守り等)
 と介護予防マネジメントから構成される。

事前質問
「生活支援サービス」((同法案同条項同号にいう「第1号生活支援事業」)について、「配食、見守り等」とあるが、訪問型サービスにおける「生活支援サービス」とどう区別されるのか

厚労省は
回答)生活支援サービスについては、端的に言えば「配食」「 見守り」等に特化したものをさしている。訪問してサービスをするものとは異なると考えている。
訪問以外の生活支援サービスは、結局「配食・見守り」だけということのようである。

そこで、既存の事業所が、総合事業に移った場合の事業費単価についての、事前質問
これら「介護予防・日常生活支援サービス」のうち、とくに「専門サービス」については、「専門サービスにふさわしい単価」(同資料377頁)とあるが、具体的にはどのようなものか(既存の訪問介護、通所介護と同一基準のサービスを指し、事業単価も既存の予防給付の報酬の額を保障すると解釈してよいか)
厚労省は
回答)最終的に市町村に定めていただくことになるので、現段階でいくらと述べられないが、「ヘルパーなど専門職の方が提供するのにふさわしい単価を市町村において定めてください」ということになる。
と甚だ無責任な「市町村任せ」の態度である。今の介護報酬でもヘルパーなど介護職員は低賃金で事業所は人材確保に苦しんでいる。「専門職にふさわしい単価」という限りは、現行以下などあり得ないが、そうは言わないのが厚労省である。

さらに、既存事業所以外の「多様な主体」のほうについての事前質問

既存事業所以外の「住民主体の多様なサービス」について
①サービスの「質の確保」はどのように行うのか

厚労省の回答
回答)事業を提供するに当たっては基本的に指定したり、委託によって提供することになり、指定の際の基準や委託の基準を市町村が定めるので、その中においてサービスの質は担保されると考えている。認知症の人など対応が難しい人については、ケアマネジメントに基づいて、いままでと同じ訪問介護事業所などにつなげることができる。そうしたことを通じてサービスの質の確保をすることはできると考えている。
これも市町村の「委託基準」「指定基準まかせ」。そして困難事例は、「今までの事業所へ」とはぐらかす。

さらに事故の責任についての事前質問
②その提供により「事故」が起こった場合の賠償責任はどのように定めるのか
厚労省は
回答)今までも指定事業所は事故の責任はその事業所が、市町村が実施する事業であれば市町村が責任を負うという形になっている。多様な主体の事業であっても市町村事業であるならば市町村が賠償の責任を負うことは変わらない。
市町村事業だから市町村責任だという。厚労省の責任は? といいたい。

ところが、法案では、この総合事業の「介護予防・生活支援サービス事業」に、現行介護保険事業者に対するものと同じ「指定、指導監督」の仕組みを設けている。
 事前質問
「指定事業者」に対する指定及び指導監督について
 ○「第1号事業」を行なう者について、介護保険の事業者指定と類似した指定・指導監督の仕組みを導入(法案第115条の5から9)しているが、「住民主体の多様な生活支援サービス」などについてもその対象となり得るのか

厚労省回答
回答)市町村判断によって、既存の事業所以外に住民主体の多様なサービスを指定してサービスを実施してもらうこともあり得ると考えている。そして、それを指導監督することもあり得ると考えている。
住民ボランティアを指定事業所にして、「指導監督する」だと!何をたわごとを言うか。


質疑応答でこんな質問が出された
質問)多様な生活支援サービスの重層的な展開のサロン、交流の場の実施主体となる住民ボランティアは、無償で労力を提供している。これを指定して、既存の事業所と同じ扱いにすることについては無理があると思うがどうか。

厚労省は
回答)「指定をできる」という規定なので、無理に指定にしなくても、市町村から委託を受けて事業を行うこともできる。たしかにボランティアが指定になじまないかもしれない。事業所やNPOがなじむかなと考えている。

しかし、「なじまない」というボランティアも指定・指導監督できるようにするのが今回の法案である。

まさに、わけのわからん法案にわけのわからん答弁を繰り返す厚労省である。


(つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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