2014/05/03 Sat
4月25日、大阪社保協が企画し、中央社保協も呼びかけて開かれた「介護保険見直し案に関する厚生労働省レクチャ―」は厚生労働省の老健局振興課、介護保険計画課、老健局高齢者支援課が事前の質問書に対する「回答」を行い、質疑応答を行った。

その⑪.要支援認定申請をさせない「水際作戦」は本当にないのか


 現行の要支援者に対する訪問介護、通所介護を保険給付からはずし、総合事業に移すことで、厚労省は、「総合事業のみ利用の場合は、基本チェックリストのみで判断」とし、要支援認定を受けなくても利用できると説明している。
 いったいどういう扱いになるのか。

事前質問
介護予防・生活支援サービス事業対象者判定について
介護予防・生活支援サービス事業対象者は、「基本チェックリストを対面で用いるなどにより判定」(同資料377頁)とされているが
①対象者判定の具体的は方法はどうなるのか(市町村窓口で申請を行い、その場で市町村職員が基本チェックリストで対面調査を行うなどの方法を想定しているか)


厚労省の回答は
回答)まだ検討中であるが、基本的にはチェックリストは個別サービスを受ける手段になるので自らチェックして「対象者です」ということではなく、 対面で、その人の状態象を見つつ職員が記入することを考えている。

 生活支援サービスの利用対象者かどうかの判定だから、保険者(市町村)がやる、という理屈である。これまでの基本チェックリストの扱いとは全然違うことになる。

この点は質疑応答でさらに質問
質問)基本チェックリストは、現在は、高齢者自身が自分で記入して出しているが、総合事業では、職員がチェックリストに記載するということで扱いがかわるということか。
回答)そのとおり。基本チェックリストの扱いは変わる。

さらに具体的にきく
質問)例えばヘルパーを利用したい、という高齢者は、現行では、まず、市町村の窓口で要介護・要支援認定申請をして、訪問調査を受けるが、総合事業では、窓口で「ヘルパーなら総合事業なので認定がなくても受けられる」と説明し、その場で職員が基本チェックリストを記入し判定する、ということになるのか。
回答)基本的には、窓口に来ていただいて対面で行うという方法を考えているが具体的なやり方については、今後考えていきたい。

厚労省は気楽にいうが、役所の窓口で、いきなり「チェックリスト」での対面調査とは、市民も職員も大変である。そこで委託の可能性はないのか聞く
質問)現行の要介護・要支援認定は、市町村が決定権を持っているので、基本チェックリストによる判定でも市町村だけがやるという理解でよいか。
回答)サービスの決定になるので、最終的には市町村の決定になる。

また、「最終的に決定」とごまかす。それなら委託はありか?
質問)基本チェックリストに基づく判定は、地域包括支援センターに委託することもあるのか。
回答)市町村窓口もあるし委託の地域包括支援センターの場合もある。しかし、最終的には市町村が判定する。
 「窓口」まで地域包括支援センターに委託するということか。

さらに、障害者サービスの例を出して質問したが
質問)チェックリストによる判定だが、障害者サービスのように事業所がある程度決めて市町村に持っていくことをしているが、同じように居宅介護支援事業所でチェックリストによる判定をすることを考えているか

厚労省は
回答)原則的には、市町村窓口か地域包括支援センターである。それをどこまで例外を広げるかはこれから検討する。
どうやら、地域包括支援センター委託までのようである。

窓口に本人が来ない場合の「対面チェクリスト」はどうするのか?
質問)基本チェックリストは面接で行うというが、代行申請で窓口で本人に会えない場合は、地域包括支援センターまたは市町村の職員が本人のところへ行って面接するということか。
厚労省は
回答)代行申請等の場合はどうするかは検討中である。
どうやら、利用者宅訪問調査はできるだけ避けたいようである。

危惧されるのは、要介護・要支援認定申請そのものを窓口で断り、チェックリスト判定を誘導するような「水際作戦」の危険である。
事前質問
②基本チェックリスト判定のみで利用が可能となると、自治体窓口で、要支援認定申請そのものを受付しないなどの「水際作戦」の危険性があるが、厚労省としてこれについての対策を検討しているか

厚労省は
回答)要支援認定は、今まで通り申請があれば受け付けるものなので、そのような水際作戦はないと考えている。
とタテマエだけでごまかそうとする。同じ厚労省所管の生活保護では、あれほど申請させない「水際作戦」が問題になったが、これも制度の趣旨は「申請があれば受け付ける」である。

質疑応答で念押しをしておく
質問)水際作戦はないというが、相談に行った時、認定申請の意思を示した場合は必ず受け付けるということか。
回答)要支援認定の意思を示していただいた場合はきちんと受け付けるという対応である。


(つづく)



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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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