2014/05/25 Sun
 月2回ペース、今年12月には考え方整理
 来年4月介護報酬改定の議論が始まった。今年12月中旬には「報酬・基準に関する基本的な考え方」の整理・取りまとめをおこない、来年1月には介護報酬改定案の諮問・答申の予定という。(4月28日 社会保障審議会介護給付費分科会)
 昨年12月の介護保険部会「見直し意見」で示された事項を中心に月2回ペースで、議論を行うという。
 夏ごろまでは、定期巡回など地域包括ケアにかかるサービスやケアマネジメント、処遇改善などをテーマに議論。秋から12月には在宅、施設サービスなどの各論を議論という。
 介護保険法改悪の「中味」を決める内容の議論だけに、これに対する取組が重要である。

 定期巡回、普及せず 基準緩和 集合住宅引下げ
 2回目にあたる 社会保障審議会介護給付費分科会(第101回)が5月23日開かれ、定期巡回サービスや小規模多機能居宅介護、複合型サービスなどについて、議論した。
 
 前回介護報酬改定で地域包括ケアの「目玉」として登場した「定期巡回・随時対応型サービス」についての議論では、改めて問題が浮かび上がった。

 今年3月末時点で「定期巡回・随時対応サービス」を提供している事業所が、全国で434ヵ所。実施しているのは196保険者。事業所数は434ヵ所、利用者数は6792人2012年度にスタートしてから丸2年。これまでのところ、順調に普及しているとはいえない結果にとどまっている。
定期巡回普及進まず

 そこで、出たのは、看護職員など人員基準の緩和などで、参入促進を図ろうという議論。同時に、集合住宅(住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)など1つの建物に暮らす利用者だけを対象とする事業所について、厚生労働省は引き下げも視野に報酬を見直す検討も打ち出されている。
 厚労省の言い分は、「広く地域の利用者を対象にする事業所と比べて、移動にかかる時間が短くて済み、コストを低く抑えられるため。決まった利用者だけを対象に事業を行うのではなく、地域全体のニーズに応える展開を促す狙いもある」というものだ。
 しかし、あれだけ、地域包括ケアの要と宣伝しながら、普及しないのは、もっと根本的な要因がある。それに目を向けず、「基準緩和による参入促進」というのはあまりにも安易である。
 しかも、集合住宅の利用者についての報酬引き下げは、医療の2の枚になる危険性すらある。
 今年4月の診療報酬改定で同一建物患者の訪問診療にかかる報酬が大幅に引下げられた。「在宅時医学総合管理料」(在総管)などの点数が4月以降、従来の4分の1以下に。基本報酬の「訪問診療料」もほぼ半額になった。
訪問診療引下げ
 これにより、極端な場合、医師の訪問による医療が受けられなくなる「無医村」ならぬ「無医住宅」「無医ホーム」になりかねない。
 サービス付き高齢者向け住宅は、60万戸以上へも建設を促進しながら、診療報酬に続いて介護報酬の「同一建物」を理由に大幅に引き下げれば、梯子を外す結果とならないだろうか。
 しかも、これは、定期巡回サービスだけでなく、訪問介護などにすでに前回報酬改定で一部導入されており、今回の報酬改定で、医療のように大幅な減額に発展した場合、サービス付き高齢者住宅に訪問する事業者が激減し、「無医住宅」から、さらに「サービスなし住宅」になりかねない。

 早くも、危険な議論が始まろうとしている。






 5月23日の社会保障審議会介護給付費分科会で示された定期巡回・随時対応サービスについての
主な論点
○24時間365日対応できる機能を維持しつつ、サービス提供実態に則った体制とする観点から、訪問看護事業所との連携、看護職員の配置要件、看護師によるアセスメントについてどう考えるか。
○通所サービス利用時の報酬算定(減算)についてどう考えるか。
○看取りに取り組む体制づくりを、さらにどう進めていくか。
○こうしたことと、区分支給限度基準額との関係についてどう考えるか。
○地域の人的資源の有効活用を図る観点からオペレーターについて、特に人材が不足する夜間・早朝等における配置基準や資格・兼務要件・特別養護老人ホームや老人保健施設による定期巡回・随時対応サービスへの参入促進に資する兼務要件についてどう考えるか。
○介護・医療連携推進会議及び外部評価のあり方についてどう考えるか。
○同一の集合住宅の利用者とそれ以外の住居の利用者に対するサービスの提供実態を踏まえ、介護報酬についてどう考えるか。
○定期巡回・随時対応サービスの普及とあわせ、1日複数回サービス提供する選択肢として、訪問介護における身体介護の20分未満の報酬区分についてどう考えるか。
○定期巡回・随時対応サービスの普及を図る観点から、保険者やケアマネジャーの定期巡回・随時対応サービスに対する認知度の向上についてどう考えるか。





 4月28日第100回社会保障審議会介護保険部会に示された検討スケジュール
介護給付費分科会における今後の検討の進め方について(案)
【平成26年】
4月~夏頃
総論、事業者団体等ヒアリング
24年度・26年度改定の審議に際して指摘があった事項や25年12月介護保険部会意見書に盛り込まれた事項を中心におおむね月2回のペースで議論
<テーマ>
・定期巡回・随時対応サービス、複合型サービス
・認知症への対応
・在宅・施設サービスにおける医療提供の在り方
・高齢者の住まい(集合住宅におけるサービス提供を含む)
・リハビリ、予防サービス
・ケアマネジメント
・区分支給限度基準額
・補足給付の基準費用額
・処遇改善
・地域区分
など
秋頃~12月
在宅サービス、施設・居住系サービスについて議論(各論)
(※消費税率引上げ時の対応については、医療保険における議論の動向も踏まえつつ議論)
12月中旬
報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・取りまとめ
平成27年度政府予算編成
【平成27年】
1月介護報酬改定案諮問・答申
4月介護報酬改定
(※4月施行分のほか、消費税率引上げがあれば併せて対応)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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