2014/08/01 Fri
 改悪介護保険法の実施に向けた「全国介護保険担当課長会議」(7月28日)が開かれたが、その3日後の7月31日夜、堺市で「区役所介護保険担当職員の自主勉強会」を開いた。介護保険制度改正で、役所の介護保険の仕事が、どう変わるか、をシミュレートするユニークな学習会。全国介護保険担当課長会議資料から役所窓口の介護保険業務の影響を考える、おそらく全国初の取り組みである。


 その中で、特に、介護保険の役所での窓口対応が根本から変わる危険性についてお話しさせていただいた。



厚労省が示した「総合事業ガイドライン案では、このように書いている。


  (総合事業(サービス事業)の利用の流れ)
 ① 相 談
  ↓----------------------------- 
  ↓                   ↓                    ↓
② 基本チェックリスト/(明らかに)要介護認定等申請/(明らかに)一般介護予防

   ↓------------------------------
   ↓                                ↓         ↓
③ 介護予防・生活支援サービス事業対象者/要介護認定等申請/一般介護予防
     ↓
 ④ 介護予防ケアマネジメント依頼書提出(対象者⇒市)
   ↓
 ⑤ 名簿登録・被保険者証発行
   ↓
⑥ 介護予防ケアマネジメント実施
(アセスメント、ケアプランの作成、サービス担当者会議等)
   ↓
 ⑦ ケアプラン交付
   ↓
 ⑧ サービス事業利用(利用料の支払い等)
   ↓
 ⑨ モニタリング
   ↓
 ⑩ 給付管理票作成・国保連合会送付

 (留意事項)
 ○ 基本チェックリストは、従来のような二次予防事業対象者の把握のためという活用方法ではなく、相談窓口において、必ずしも認定を受けなくても、必要なサービスを事業で利用できるよう本人の状況を確認するツールとして用いる。
○ 介護予防ケアマネジメントでは、利用者本人や家族との面接にて基本チェックリストの内容をアセスメントによって更に深め、利用者の状況や希望等も踏まえて、自立支援に向けたケアプランを作成し、サービス利用につなげる。


 介護保険が始まって14年。これまで、私たち市町村の介護保険窓口担当職員は、介護に関する相談があれば、「要介護認定を受ければ介護保険サービスを利用できること」をまず、説明し、認定申請を受け付けることから始めた。すべての介護保険被保険者は認定申請をする権利を持っている。これを自治体窓口で断ったり、受付を渋ったりすることは許されない。
 ところが、厚労省の「総合事業ガイドライン案」では、「明らかに要介護1以上と判断できる場合」以外は、窓口で「基本チェックリスト」を活用し、利用すべきサービスの区分(一般介護予防事業、サービス事業、給付)の振り分けを行う とされている。 しかも、「市町村窓口においては、かならずしも専門職でなくてもよい」とまで明記されているのだ。ただの事務職員がどうやって「状況」をつかみ、「意向」を聞き取り、「サービスの振り分け」を行うのか。
 まさに、市町村窓口で要介護認定申請をさせない「水際作戦」になってしまうことは明白である。ガイドライン案には、一応「必要な時は要介護認定の申請が可能であることを説明」とは書いてある。しかし、窓口に来られる多くの高齢者は「要介護認定が何か」も知らない方も多い。「役所に行けば何とかしてくれる」とすがりつくようにしてやってくる高齢者を、窓口であしらい、素人の事務職員が型どおりの「基本チェックリスト」」でサービスの振り分けを行う。まさに、私たち市町村窓口の職員を「門前払い役人」に落とし込めるものである。

 この「区役所職員自主勉強会」では、「専門職でない私たちがチェックして適切に決められるのか」「今でも窓口が大変なのにこんなことまでするのか」といった当然の疑問も出された。


以下は、その中での私の提言(日下部私案)
 1 要支援者サービスの一部総合事業移行で 区役所での 相談、要介護認定受付 が変わる可能性が高い。 
 ・申請の水際作戦(相談に来られても「申請させない」、窓口での「区分け」をして、「基本チェックリスト」に誘導するなど。
 ⇒ 私案①市として、国に追随し拙速に総合事業実施しない
      ②基本チェックリストは区役所窓口では行わず、区役所での申請・認定申請受け付けは現行通りとし、総合事業サービス利用希望者は地域包括支援センターへ案内する


 いよいよ、動き出した介護保険大改悪。それぞれの現場で、どうなるのか、よりましなものになるよう取組みを進める必要がある。

 私が、自主勉強会で最後にお話しした自治体の介護保険窓口職員へのメッセージ
 
 よりましな 制度改正対応にするために
○情報収集、本庁は早期に情報提供、説明を
○拙速な実施、現場無視はよくない
○現場からよりよい方法を考えよう
○要介護者・家族、高齢者が困らないように
○ケアマネさんや事業者がしっかりサービス提供できるように







 
 
 
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Category: 介護保険見直し

しおん >>URL

勇気づけられました。

通りすがりの者ですが、記事に勇気づけられました。
先日歩行が不安定で、転倒骨折を繰り返す義母の介護保険の申請に行ったところ、まさしく書かれてる通りの「門前払い」の対応をされました。役所を頼りに思っていただけにとてもショックで、しかしどうにも腑に落ちなくて、こちらで記事を拝見して納得が行きました。制度については知らないと損することばかりですね。また窓口に掛け合ってみようと思います。ありがとうございました。

Edit | 2015/01/21(Wed) 18:35:46

 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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