2014/08/06 Wed
要支援者切捨てと「自助・互助」強制の仕組み
~「介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン案」について

 
その⑤自己責任と「互助」の押し付け



6 自己責任と「互助」を押し付ける「住民主体サービス」整備
ガイドライン案は、「市町村、地域包括支援センター、住民、事業者等の関係者の間で、介護保険の自立支援や介護予防といった理念や、高齢者自らが健康保持増進や介護予防に取り組むといった基本的な考え方、わがまちの地域包括ケアシステムや地域づくりの方向性等を共有する」として、地域包括ケアシステム構築にあたっての「規範的統合」の重要性を強調している。
 その上で、「元気な高齢者をはじめ、住民が担い手として参加する住民主体の活動や、NPO、社会福祉法人、社会福祉協議会、地縁組織、協同組合、民間企業、シルバー人材センターなどの多様な主体による多様なサービスの提供体制を構築し、高齢者を支える地域の支え合いの体制づくりを推進していく」というのである。とくに、「互助を基本とした生活支援・介護予防サービス創出」をめざして、「介護予防・生活支援サービス事業」の訪問型サービス、通所型サービス、その他の生活支援サービス すべてが「互助化」の対象となっている。さらに、一般介護予防事業についても「地域の住民が主体となった体操教室等」が推進され、事業の担い手を「住民主体サービス」に依存しようとしている。
 ガイドライン案では、こうした「住民主体」の「互助を基本とした生活支援・介護予防サービス」を作り出すための仕組みとして「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」と「協議体」の設置(「生活支援体制整備事業」)をあげている。
 このコーディネーターと協議体が、地域おいて、①地域のニーズと資源の状況の見える化、問題提起 ②地縁組織等多様な主体への協力依頼などの働きかけ ③関係者のネットワーク化、④目指す地域の姿・方針の共有、意識の統一、⑤生活支援の担い手の養成やサービスの開発 ⑥ニーズとサービスのマッチング を行うという「手順」で、生活支援サービスを発掘・創造していくとしている。市町村は「支援」の役割で、直接実施するのは、担い手に対する「各種研修」(介護保険制度、高齢者の特徴と対応、認知症の理解など)や、ボランティアポイント制などである。
 ガイドラインというよりもこの項は「各地の具体的な取組例」の寄せ集めである。しかし、ガイドライン案が「市町村が具体的制度設計・事業運営を行っていく上で十分に参考にしていくことが有益である」として推奨している「新地域支援構想会議の提言」(新地域支援構想)は重大な内容を含んでいる。「助け合い主義」というべきもので、住民の助け合いボランティアである「非雇用型サービス」に訪問介護・通所介護の多くを委ね、しかも、「自主性・主体性」を理由に、利用料に対する公費助成は「不適切」とするなど、すべての地域支援、地域福祉の公的責任をなくし、住民の助け合いに委ねる仕組みを提言する内容となっている。
(つづく)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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