2014/08/07 Thu
要支援者切捨てと「自助・互助」強制の仕組み
~「介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン案」について

 
その⑥)「猶予期間」の意味するもの


1総合事業実施は3年の猶予期間
(1)「猶予期間」の意味するもの

 法改正により、2015年4月以降は、要支援のホームヘルプサービス(介護予防訪問介護)、デイサービス(介護予防通所介護)は、介護保険法の条文(第8条の2)から削除され、法的には消滅する。一方で、地域支援事業の「介護予防日常生活支援総合事業」に、「第1号訪問事業」、「第1号通所事業」が、「生活支援事業」「介護予防支援事業」とともに新設される。介護保険法第115条の45 第1項第1号)。
 しかし、市町村は条例によりその実施を2017年4月まで延期できるという「猶予期間」が置かれている。
 この「猶予期間」について、政府厚生労働省は、猶予期間を活用して「サービス整備」をしてから総合事業に移行するよう強調している。これは、現行基準相当サービスもそのまま総合事業に移行できる仕組みであるため、名称は「総合事業」になっても、実態は予防給付と大差ない、という事態になるのを恐れているためである。
 市町村に対し、既存事業者による現行相当サービスばかりの総合事業とならないよう、「住民主体」のボランティア、「互助サービス」を作り出し、これにホームヘルプ・デイサービスを肩代わりさせる体制構築を迫っているのである。
 したがって、「拙速な実施を許すかどうか」という「実施時期」だけに争点があるのではない。

参考
○市町村における総合事業の開始時期と平成29年4月までの実施の猶予と条例の制定について
平成26年5月14日衆議院厚生労働委員会での田村厚生労働大臣答弁
これ(注:総合事業への移行)に関して申し上げれば、それは早い方がいいのは当たり前でございまして、早くから総合事業に取り組んでいただきたいと思います。
ただ、できないのに早くから、猶予期間を使わずに、という話になると何が起こるかというと、今の予防給付を提供いただいている事業者は、新しい総合事業の事業者にそのまま自動的になられるわけであります。でありますから、今のサービスだけになってしまう。
 我々が望んでおるのは、今のサービスプラスアルファ多様なサービスをおつくりいただいて、いろいろなニーズにお応えいただきたいということでございますから、今と同じサービスがそのまま提供されるということは我々の望んでおる方向ではございませんので、それならば、やはり猶予をとっていただいて、条例等々でしっかりと多様なサービスというものを準備いただいて、それからスタートしていただく。もしくは、併用しながらスタートしていただくという方法もあると思います。一定程度は今の事業をやりながら、新しいサービスをつくって、それをだんだんふやしていく。これから新しい総合事業に入ってこられる方々がどんどんふえてまいりますから、そのようなニーズにもお応えをいただくというような方法もあろうと思います


(つづく)

スポンサーサイト
Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索