2014/08/08 Fri
要支援者切捨てと「自助・互助」強制の仕組み
~「介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン案」について

その⑦地域から総合事業に立ち向かい、利用者を守るため

総合事業に立ち向かうために
 来年度から3年間の第6期介護保険事業計画にむけての地域でのもっとも大きな課題は、改悪介護保険制度の最大の問題である「要支援者保険外し」と「生活支援サービスボランティア化」を許すかどうかである。
 地域で、総合事業に立ち向かうための課題については以下の通りである。
 第1に、現行の介護保険制度で、要支援者の生活を支えてきたホームヘルプ・デイサービスの水準を掘り崩させないことである。現行基準以下の緩和サービスを持ち込ませず、住民主体ボランティアへ肩代わりをさせないことが重要である。
 第2に、すべての要支援者に対し、現行水準のホームヘルプ・デイサービスの利用を保障することである。利用者の「サービス選択権」を奪うような仕組みは導入させてはならない。現行相当サービスは、一部の要件に合致する人とだけでなく、すべての要支援者が利用する権利があることを明確にすべきである。
 第3に、要介護認定申請の申請権の侵害を許さないことである。本来は要支援者や要介護者に該当する可能性のある人に対して「事前」に基本チェックリストでの選別をさせないことが重要である。したがって、市町村窓口では、基本チェックリストは実施しないこと、これまでと同じように、相談者には要介護認定の手続きを速やかに行うことを市町村当局に約束させることが重要である。基本チェックリストは、地域包括支援センターの専門職が活用する位置づけにするべきである。
 第4に、介護予防ケアマネジメントを通じた、自己努力の押しつけと利用制限である「サービスからの卒業」、セルフケアの強要をさせないことである。居宅における能力に応じた自立した日常生活に必要なサービスを提供し続けることが介護保険の責務であり、「卒業」を迫るようなケアマネジメントは許されない。地域包括支援センターが「サービス打ち切り」の手先にならないような取組みが必要である。同時に、自治体による「ケアプラン点検」や、法制化された「地域ケア会議」を通じたケアマネジャーへの統制がされないように働きかけることも重要である。介護予防ケアマネジメントについては、予防給付の現行以上の単価を保障し、低額な「プロセス簡略型」「初回型」は持ち込ませないことである。
 第5に、現行サービスの担い手であるサービス事業者に対しては、少なくとも現行単価以上の報酬を保障するとともに、基準緩和サービスは制度化しないことである。また、利用者負担については、予防給付と同様の9割支給は厳守し、さらに軽減措置を講じることが大切である。
 第6に、財政面で市町村を、利用抑制と安上がりな住民主体サービス移行へと駆り立てる総合事業の「事業費上限設定」については、撤廃し、必要な費用を保障させることである。国に「上限設定」を制度化しないよう求め、必要な国庫負担を要求すると同時に、自治体にも必要な財政支出を要求していくことが求められている。

(おわり)
スポンサーサイト
Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索