2014/09/02 Tue
 9月1日午前、中央社保協の呼びかけで、改定介護保険問題についての厚生労働省老健局のレクチャーが行われた。
当方から事前質問を提出させていただき、その回答及び質疑応答を行った。
 改定介護保険の焦点についても厚労省担当課の「本音」を垣間見ることができた。


その① 2割負担の根拠語らず、詭弁と開き直り

1. 「一定以上所得者の利用者負担の見直し」について
(1)利用者負担を2割にする基準を「合計所得金額160万円以上」とすることについて、「平均的な年金額と比較して100万円収入が多い」「一般的には一定の預貯金等を保有すると考えられる」等を理由に負担可能と説明されている(7月28日全国介護保険担当課長会議資料140頁)。
①無職夫婦高齢者世帯の収入と支出の状況(同資料141頁)から見ても、すべての収入階層の世帯は、「収入不足」であり、預貯金の取崩し等で補てんしないと生活できない状態であるが、このことをどう説明されるのか。

回答)介護保険計画課
年金収入359万円の世帯が、消費支出257万円の水準の生活をする場合には、預貯金等の取り崩しをせずに、介護の費用を賄うことは可能である。介護保険の世帯ごとの上限額56万円を負担したとしても預貯金等の取り崩しをしないで負担することは可能と考えている。仮に年金収入359万円世帯がこの収入水準に対応した消費支出を行っている場合には、56万円の介護費用負担をするためには預貯金等の取り崩しを行う必要がある。しかし、収入の高い世帯は通常、教養娯楽その他の支出も多く、要介護状態になった場合は支出の内容に変化が生じ、介護等の自己負担も可能になると考えている。


これは、今年5月までの厚労省説明を都合よく「修正」したものである。参議院厚生労働委員会で、「モデル世帯」の可処分所得と比較した「消費支出」が、実は、モデル世帯よりも100万円あまりも収入の低い所得階層のものであることが、総務省家計調査データから暴露され、「データのごまかし」と批判され、厚労大臣は、資料を撤回した。
今回の厚労省説明は、要するに「切り詰め」「やりくり」をし、預貯金等を
取り崩せば、「2割負担に耐えられる」
というものである。

質疑応答で、
質問;支出の低い世帯の水準に消費支出を切り詰め、教養娯楽費などを削れば払える、ということか
答)まあ、そういうことになる。
としゃあしゃあと回答している。

ただ、批判の声の前に、若干の「配慮」も見せた。

厚労省説明) 今回、世帯を勘案して配慮するという規定を検討している。個人の所得で160万円以上の人は2割負担となるが、年金収入以外の収入の場合、実質的な所得が200万円に見たないケースがある。また、夫婦の場合、配偶者の年金が低くて世帯としての負担能力の低いケースがあること 世帯の1号被保険者の年金収入とその他の合計所得の合計が単身280万円、その他の世帯は、346万円未満の場合には1割負担に戻すことを検討している。(介護保険計画課8月27日事務連絡)

すかさず、今後のたたかい次第で、厚労省は、さらなる譲歩をする腹があるのかと質問してみた。

質問)来年8月の実施までに、さらに「配慮」は出てくるのか

残念ながら、厚労省は、
答)政令で決まるまでは検討段階なので、何とも言えない
さらなる譲歩があるのかは語らず。

さらに、今回、「預貯金等を保有」
が負担可能の根拠にされたので、
こう質問してみた。
質問)今回始めて負担可能の根拠に
「一定の預貯金等を保有すると考えられる」と説明しているが、この所得階層の預貯金等を調査したのか

厚労省は
答)調査はしていないので、あくまで「保有すると考えられる」ということである。預貯金等の額は根拠はとくにない。

と、お気楽かつ無責任に、預貯金等はあるはずだ、と決めつけている。

さらに、事前質問

②政令で基準を定めるにあたっての実態調査実施について、本年4月のレクチャー時には、「統計調査での高齢者の平均的消費支出との比較で基準収入は余裕があるという数字が出ている」との理由で、調査は予定していないと回答されたが、この点は今も変わりはないか。

回答)前回のレクチャーのときと変わりない。

国会であれだけ叩かれ、参議院では付帯決議まであるのに、まったく無視である。

(つづく)


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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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