2014/09/03 Wed
9月1日午前、中央社保協の呼びかけで、改定介護保険問題についての厚生労働省老健局のレクチャーが行われた。
当方から事前質問を提出させていただき、その回答及び質疑応答を行った。
 改定介護保険の焦点についても厚労省担当課の「本音」を垣間見ることができた。



その② 「補足給付」の預貯金等調査 利用者を悪人扱い 「抑止力論」の発想

 これまで、低所得(非課税世帯)というだけが、給付の要件であった介護保険施設利用者の食費・部屋代補助(補足給付)について、「資産等」が追加された。具体的には預貯金等が1000万円以上の場合は、対象外とされる。
ところが、行政が預貯金等の額を一元的に把握できる仕組みがないことから、申請にあたって預貯金等額の「申告」をさせ、「預貯金等通帳の写し」の添付なども求める。不正申告を防止するためとして、偽りの場合は「最大200%」の加算金まで法律に盛り込んだ。
そして、市町村には預貯金等調査のための「金融機関等への照会」事務が生じる。
私が事前に厚労省に出していた質問事項
2 補足給付の見直しについて
金融機関への預貯金の照会は「必要に応じ」としているがどの程度を想定しているか。市町村が必要なしと判断すればまったく実施しなくても差し支えないか


厚労省資料にもサンプル調査と記載している


厚労省介護保険計画課の回答は次のようなもの。
回答)金融機関等の預貯金照会は全件行うことは想定していない。サンプル調査、不正受給が疑われる場合など申請内容の真偽を確認したいような場合に行うことを想定している。また、サンプル調査の基準等を明らかにした場合、「抑止力」としての効果が失われることがあったり、保険者によって数が異なることもあるので、一律に基準を示すことは考えていない。各保険者において必要となる数を実施していただくことになると考えている。

そこで、さらに質問してみた。
質問)そこの市町村が、全件預貯金等調査は必要ない、と判断した場合には、1件の調査もしなくても可能か

厚労省は、
答)そういう判断をされたのであれば可能である。自治体としてどう考えるか、という問題である。しかし、その自治体が「調査しない」というようなことを公言してしまった場合、申請者にとっては「調査しないのだったら正確に申告しなくてもよい」となってしまい、抑止力に問題が生じる。金融機関調査は、調査をする、ということによって、正確な申告を促すという抑止力があることを考えて欲しい。

ここでも、「抑止力」を繰り返す。こちらが心配しているのは、「律儀」な市町村が、あえてしなくてもよい「全件金融機関調査」をしたり、その結果が出てからでないと補足給付を決定しないような事態である。急なショートステイ利用が経済的にできないなどの事態も発生しかねない。

厚労省は、全件金融機関調査については
「それをすることが何か問題ですか」
という返答であった。
まさに、施設利用者は、「虚偽申告」をするかもしれないから、「金融機関調査を全件やるぞ」「もし不正があったら2倍の加算金をとるぞ」と脅しつけないと「抑止力」が働かない、という発想であろう。

厚労省の担当者が発した「補足給付は、本来は全額自己負担の食費・居住費を、経過措置的に給付している福祉的なもの。生活保護が厳しく調査しているのに、こちらだけ何もしないのでは不公平」という発言がすべてを物語っている。

この補足給付問題は、非課税の低所得者が対象だが、「福祉的措置」という理由で、「世帯分離しても配偶者がかぜいだったら対象外」とか「段階決定にあたっては、非課税年金も算入する」など、極めて厳しい要件を追加した。検討課題となっているが「自宅保有」も将来は、要件に追加したされる可能性がある。
このような極悪な制度改悪を企画した連中の本音が聞こえるようなやり取りであった。

(つづく)



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Category: 介護保険見直し

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抑止力

文脈から見てここで言っている「抑止力」って施設利用についてではなく
貯金の虚偽申告を指しているんじゃないですか。

Edit | 2014/09/03(Wed) 08:40:11

 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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