2015/01/25 Sun
 まるで「やるやる詐欺だ」。自治体の介護保険担当者の中で、こんな声が広がっている。
介護保険法う改正で、
新たに非課税世帯の介護保険料を「公費」を投入して最大「7割軽減」する
給付費の5割の公費とは別枠で公費を投入し、
 低所得の高齢者の保険料の軽減を強化。
(公費負担割合 国1/2、都道府県1/4、市町村1/4)  
平成27年度(第6期介護保険事業計画)から実施。

          現行     27年度~
第1・2段階   0.5  → 0.3
特例第3段階  0.75 → 0.5
第3段階     0.75 → 0.7

 政府厚生労働省は、これまで繰り返し説明してきた。そして実施は「平成17年度から」とも明記していた。


 ところが、消費税再増税が延期になると、その大部分を「平成29年度実施」と延期してしまった。わずかに第1・2段階のみ 0・5→0・45 と微々たる軽減をすることによって「一部実施」とうそぶくあり様である。

 困ったのは市町村である。第6期介護保険料は、10数%~20数%の引上げになるところが多く、大阪府内の高いところでは基準月額7000円というべらぼうな額になろうとしている。非課税層だけでもこの「軽減強化」によって保険料上昇が抑制されると期待していたからである。
 まさに、国が「やる」と言っていたものを今頃になって延期されても、介護保険料の引き上げは延期できない市町村は途方に暮れている。

 そこで、いくつかの市町村では、国が軽減を延期している2年間、独自に一般財源を投入して被保険者の負担を軽減しようとする動きが広がった。 これは住民の暮らしを守る上で当然のことである。

 ところが、厚生労働省は、自らの「約束違反」は棚にあげて、自治体に対し、「勝手な軽減はまかりならぬ」という文書を送りつけたのである。

 「政令により制度化された仕組みの枠外で、低所得者の保険料軽減に要する費用を一般財源から特別会計に繰り入れることは適当ではなく、ご質問のような差分の独自補填はできない。」(厚生労働省介護保険計画課平成27年1月16日事務連絡
 国が「やるやる」と言っていて、2年間延期したため、市町村がやむなく、独自財源をつかって国の「当初案」並みの軽減をしようとすることに、国は「申し訳ない」と謝るべきであろう。
 それを逆に「まかりならぬ」とはどういうことか。

 さらに、厚労省の「3原則指導」も含めて、地方自治体たる市町村が、自らの一般財源を議会の議決を得て、介護保険会計に繰り入れることは、何ら法に反しない。介護保険法にも禁止規定もなく、当の厚労省介護保険計画課も繰り返し、禁止規定はない。制裁措置はない」と明言してきた。
 それを今回「独自補填はできない」とまで言い切っている。
 
 このような法的根拠もない「恫喝文書」は直ちに撤回すべきである。

 厚労省の行うべきことは、自治体にこのような無法な恫喝をすることではない。財務省に対して、「当初案どおりの軽減措置」をさせるために掛け合うことである。当初予算が無理なら補正でもなんでもして、自治体との約束を果たすべきことである。



事 務 連 絡
平成27年1月16日
各都道府県介護保険担当課(室) 御中
厚生労働省老健局介護保険計画課
 
低所得者の第1号保険料軽減強化に係る来年度の対応について(その3)

 介護保険制度の運営につきましては、平素より種々ご尽力をいただき、厚く御礼申し
上げます。
 低所得者の第1号保険料軽減強化に係る来年度の具体的な対応については、平成27
年1月11 日付け事務連絡によりお示ししたところですが、平成27 年度の社会保障の充
実の内容が決定された社会保障制度改革推進本部(平成27 年1月13 日開催)における
関係資料について、別添のとおり送付いたしますので、管内保険者等へ周知をお願いい
たします。
 また、第6期保険料の設定にあたって、自治体から寄せられた質疑のうち、特にご留
意いただきたい事項について、別紙のとおりQ&A を作成いたしましたので、併せて周
知をお願いいたします。


(別紙)
問 保険料の軽減強化が平成27 年度と平成29 年度の2段階実施になったことを受け、平成27 年度・
平成28 年度からは公費の投入が当初予定より縮小するが、完全実施時の公費による軽減後の乗率を
先取りするため、差分を保険者独自に一般財源から補填することは可能か。
また、平成27 年度から完全実施時の公費による軽減後の保険料額を先取りするため、介護保険法
第142 条の規定に基づいて条例に定めるところにより、第1段階から第3段階までの方に対して一
律に減免を行うことは可能か。

(答) 今回の制度改正で公費を投入して低所得者の保険料軽減を行う仕組みを導入し、低所得者の保
険料軽減に要する費用を一般会計から特別会計に繰り入れ、国・都道府県が一定割合を負担する
こととなるが、新法第124 条の2に基づき、政令で定めるところにより負担を行うものである。
政令により制度化された仕組みの枠外で、低所得者の保険料軽減に要する費用を一般財源から
特別会計に繰り入れることは適当ではなく、ご質問のような差分の独自補填はできない。
また、一定の所得段階に該当する者に対して一律に減免を行うことは、当該者に対して所得に
応じた段階別保険料設定による応分の負担を求めているにも関わらず、これに加えて、他の第1
号被保険者の保険料を財源とした減免を一律に行うこととなり、公平性の確保の観点から適当で
はない。
 
なお、ご質問の事例以外の保険料の減免(いわゆる単独減免)についても、被保険者間の公平
性の確保や、健全な介護保険財政の運営と財政規律の保持の観点から、従前からお示ししてきて
いるとおり、
・保険料の全額免除
・収入のみに着目した一律減免
・保険料減免分に対する一般財源の投入
については適当ではないため、引き続きこのいわゆる3原則の遵守に関し、各保険者において適
切に対応していただきたい。
 担当:老健局介護保険計画課企画法令係 (内線2164)
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Category: 介護保険料
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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