2015/04/01 Wed
大阪市解体・府への吸収で国保・介護・生活保護はどうなるか  その④ 生活保護
                             日下部雅喜

3 生活保護
 
(1)異常な生活保護攻撃の大阪市政
 大阪市の生活保護受給率は5.55%、全国平均1.7%を大きく上回りトップとなっています(2014年10月時点)。しかし、大阪市は橋下市長なってからこの生活保護利用者に対し、徹底した締め付けをおこなっています。保護人員は2012年1月から2013年2月までの1年間で472世帯減少しました。内容をみるとその異常さがよくわかります。高齢世帯は2531世帯増加した一方で「その他」世帯が3003世帯も減少しているのです。これは、働くことが可能な年齢層(16歳~64歳)に対し、生活保護申請の拒否、違法な「助言指導」による申請却下、保護廃止などをあらゆる締め出しを行った結果と言えます。厚生労働省ですら「行きすぎ」と言わざるを得ない違法行為を数多く含んでいます。こうした異常な手口は、社保協が2014年に行った「大阪市生活保護全国調査団」の取り組みによって明らかになっています。さらに大阪市は、現金で支給すべき生活保護費を「プリペイドカード」で支給するなど、新たな締め付け策まで行おうとしています。

 (2)大阪市解体・特別区でさらに悪くなる
 生活保護は、大阪市解体によって「特別区」が実施することになります。この点は国保や介護保険とは異なりますが、生活保護では財源上に新たな問題が発生します。
 大阪市の生活保護関係費は約2900億円ですが、このうち国が4分の3負担し、大阪市の負担分は4分の1です。市負担分は地方交付税交付金で補てんされますが、それでも実質的な市負担は約150億円程度が生じています。
 ところが、特別区になると地方交付税が直接特別区に入って来ず、「大阪府」にいったん受け入れて財政調整財源にします。したがって、各特別区は現在と同じ負担率に収まらない結果になります。
 こうした財政的制約が各特別区をして、これまで以上の生活保護の削減・抑制策に駆り立て、申請拒否や生活実態を無視した保護の打ち切りなどが横行する危険性があります。

おわりに
 特別区の基礎自治体としての「住民のいのちと健康、くらしを守る」機能の面から、国民健康保険、介護保険、生活保護について、「協定書」と最近の大阪府・大阪市及び国の政策動向から、大阪市解体後の特別区の実態を予測しました。本稿でみてきたように「機構」としての特別区がいかに住民生活を無視し、大きな被害をもたらすのであるかは明らかです。それと同時に、国の「社会保障改革」の下で進められるかつてない国民生活犠牲の政策推進と、それを先取りしさらに輪をかけた橋下維新政治の推進が、大阪市解体・特別区構想である以上、私たちの予想を上回る規模での国保・介護保険・生活保護の改悪が進行する危険性すらあります。
 大阪市において、この動きにストップをかけ、同時に橋下維新勢力に政治的審判を下すのは5月17日の住民投票での「反対」票です。
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プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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