2015/09/06 Sun
 8月24日に同じテーマで記事を書いたが、その続編(関西編)
 2015年度介護報酬改定で拡大された居宅介護支援事業所の「特定事業所集中減算」。
対象が全居宅サービスに広げられ、集中要件も90%から80%に下げられた。判定対象期間は、今年9月から。実際の減算は来年4月からだが、減算を免れる「正当な理由」をめぐって保険者や都道府県がどんな「ルール」を出してくるか。

まず、京都府である。
 京都府HP居宅介護支援事業所の特定事業所集中減算について
改正後様式の 「正当な理由に関する説明書」によると
  ⑤ サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業者に集中したが、それらを居宅サービス計画数(計算式の分母分子)から減じると80%を超えない場合。
(例)利用者から質が高いことを理由に当該サービスを利用したい旨の理由書の提出を受けている場合であって、地域ケア会議や事例検討会その他地域包括支援センターから支援内容についての意見・助言を受けているもの ただし、意見・助言の内容等や事業所の選択に至る過程が居宅介護支援経過に明確に記録されていること。
⑥ ア 市町村(地域包括支援センターを含む。)等行政機関から、高齢者虐待などの困難ケースの計画作成の依頼を受けたこと又は他の複数の事業所が満床・定員超過であったことにより特定の事業所に集中したが、それらを居宅サービス計画数(計算式の分母分子)から減じると80%を超えない場合。 ただし、行政機関からの依頼、満床・定員超過の状況等、事業所の選択に至る過程が居宅介護支援経過に明確に記録されていること。
⑥ イ 京都介護・福祉サービス第三者評価等支援機構による第三者評価を受診し、サービスの質の向上に努めている事業所で、かつ、利用者の希望により特定の事業者に集中している場合。なお、第三者評価については、当該年度を含めて3年度以内に受診しているか、又は当該年度については、未受診であっても第三者評価を受診することが確実な場合。
ただし、利用者の希望により事業所の選択に至る過程が居宅介護支援経過に明確に記録されていること。
   (添付書類)当該事業所が受診済の場合は、受診結果表の写し(直近のもの)
        未受診の場合は、受診申込書の写し

 今回加わったのは⑤で、内容は厚生労働省通知の(例)にほぼ準じている。 ⑥⑦は従来からあった京都府ルールである。

次に大阪府
大阪府HP居宅介護支援事業所の特定事業所集中減算について

大阪府のチェックシートは大きく変わっている。
まず、従来の「正当な理由」
 (3)利用者の希望を勘案した場合(ただし、事業者が不当な誘導等によって、利用者の自由な選択を阻害していると認められる場合を除く)でアかつイを満たしている。
ア)アセスメントに基づき、利用者が希望するサービス、地域等に合致した事業所について、事業所一覧表や「情報の公表制度」等により検索した複数の事業所を提示し、それぞれの地理環境、特筆すべきサービス事業の内容を説明したことを記録している。
イ)利用者からの希望及び当該事業所を選択した理由を確認し、事業所において文書で記録している。  
 
と、「利用者からのl希望勘案」は「複数の事業所提示し説明した記録」、「利用者の希望と事業所選択の理由」を確認し、記録していればよかった。

改正後のチェックシートの「正当な理由」  
サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合で次の要件を満たしている。(ただし、事業者が不当な誘導等によって、利用者の自由な選択を阻害していると認められる場合を除く)
利用者から質が高いことを理由に当該サービスを利用したい旨の理由書の提出を受けている場合であって、「地域ケア会議において支援内容の意見・助言を受けている」場合
② ①について、地域包括支援センターの事情によりやむを得ず意見等を受けられない場合(※)は、
居宅介護支援事業所と、当該事業所から紹介を受けた介護サービス提供を実施する事業所の双方が「大阪府介護サービス情報公表制度に基づき訪問調査を受けている」場合
(※)地域包括支援センターの事情によりやむを得ず意見等を受けられなかったことを記録し、5年間保存
すること。

と、全面的に変わっている。①利用者からの理由書提出+地域ケア会議の意見・助言  ② ①がない場合は、介護サービス情報公表制度の訪問調査を受けている場合。この場合でも地域ケア会議での意見・助言を受けられなかった地域包括支援センターの事情を記録・保存しなければならない。
 これは新たな要件と言うべきものである。従来の「利用者の希望勘案」は消えてしまっている。


大阪市は
大阪市HP特定事業所集中減算チェックシート(平成27年度前期分)の提出について
 HPにあるように、現時点(9月6日)では、平成27年度後期のチェックシートはまだ掲載されていない。
 (平成27年度後期以降のチェックシート等の様式については、後日、掲載いたします)
と記載されている。
 しかし、正当な理由の改正後の要件は明記されている。
※「正当な理由」の範囲
(1~3略)
4.サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などのより特定の事業者に集中していると認められる場合いで、具体的には、
  利用者から質が高いことを理由に当該サービスを利用したい旨の理由書の提出を受けている場合であって、地域ケア会議等に当該利用者の居宅サービス計画を提出し、支援内容についての意見、助言を受けているものを除いて計算し、100分の80以下となる場合
5.その他正当な理由と認める場合
(1)地域包括支援センター(または市町村等行政機関)から、支援困難事例等として、計画作成の依頼を受けた利用者である場合
(2)災害時、緊急時により受け入れが可能な事業所が限定されていて、やむなく集中した場合
 上記(1)、(2)に該当するものを除いて計算し、100分の80以下となる場合


従来あった大阪府と同様の「利用者の希望勘案」が消えている。また、大阪府のように「地域ケア会議の意見・助言を受けられなかった場合」の扱いもない。
 同じ大阪でありながら大阪府と大阪市ではかなり取扱が異なることとなった。(従来は「当該事業所を選択した理由書」の様式の有無のちがいだったが今回は要件そのものが違ってきた。


 さらに、大阪府内で 現時点で 改正後の扱いをHPで公表している保険者は少ないが、例えば枚方市では

枚方市HP居宅介護支援費に関する特定事業所集中減算について
 枚方市の従来の「正当な理由」の要件は、大阪府と同様だったが、改正後の「居宅介護支援における特定事業所集中減算チェックシート(提出用兼保存用)」では、
80%を超えている場合の正当な理由
(1)~(3)略
(4) サービスの提供にあたって、指示を受けた主治の医師等との密接な連携を確保するため、特定の事業者に集中していると認められる場合
(5)サービスの質が高いことによる利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業所に集中していると認められる場合(アセスメントに基づき、利用者が希望するサービス、地域等に合致した事業所について、事業所一覧表や「情報の公表制度」等により検索した複数の事業所を提示し、それぞれの地理環境、特筆すべきサービス事業の内容を説明し、当該サービス事業所を利用したい旨の理由書(参考様式2)の提出を受けている場合)
(6) その他正当な理由と市長が認めた場合


 大阪府にも国にもない、「指示を受けた主治の医師等との密接な連携を確保するため、特定の事業者に集中していると認められる場合」は正当な理由というもにが付け加わった。一方で、「地域ケア会議の助言・意見」はまったくない。
 大阪府・大阪市では消えてしまった「利用者の希望を勘案した場合などにより特定の事業所に集中していると認められる場合」が枚方市は残した。さらに「その他正当な理由と市長が認めた場合」という項目が加えられた。市が認めればOKということであろう。かなり幅を持たせた扱いが可能な表現である。

 他の保険者の扱いは順次公表されるだろうが、大阪府内でもこれだけバラバラのローカルルール。翻弄されるのケアマネジャーと利用者であろう。
 厚労省通知の「例」を受けて。ひたすら、事細かなルールを考えて、ケアマネジャーを振り回すより、行政として、本当の「囲い込み」の不適正サービスを排除する効果的で責任ある対応を検討することが大切だと考えるが、いかがであろうか。

                                                                     



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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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