2015/10/10 Sat
介護保険の各種申請書や届出書へのマイナンバー記載義務づけが早くも混乱が起きている。政府・厚労省の責任は重大である。

 厚生労働省は、9月29日付けで老健局長通知 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令の公布について」を出した。
 これは、マイナンバー法の施行に際して、個人番号の取得・確認を行うため、介護保険法施行規則に基づく資格取得の届出等の申請事項に個人番号を追加するといったものである。
個人番号が追加される申請事務一覧(括弧内は、介護保険法施行規則の根拠条文)
・資格取得の届出等(第23 条)
・住所地特例対象施設に入所又は入居中の者に関する届出(第25 条)
・被保険者証の交付(第26 条)
・被保険者証の再交付及び返還(第27 条)
・負担割合証の交付等(第28 条の2)
・氏名変更の届出(第29 条)
・住所変更の届出(第30 条)
・世帯変更の届出(第31 条)
・資格喪失の届出(第32 条)
・要介護認定の申請等(第35 条)
・要介護更新認定の申請等(第40 条)
・要介護状態区分の変更の認定の申請等(第42 条)
・要支援認定の申請等(第49 条)
・要支援更新認定の申請等(第54 条)
・要支援状態区分の変更の認定の申請等(第55 条の2)
・介護給付費等対象サービスの種類の指定の変更の申請(第59 条)
・介護保険法施行令第22 条の2項6項の規定の適用の申請(第83 条の2の3)
・高額介護サービス費の支給の申請(第83 条の4)
・高額医療合算サービス費の支給の申請(第83 条の4の4)
・特定入所者の負担限度額に係る市町村の認定(第83 条の6)
・特定入所者の負担限度額に関する特例(第83 条の8)
・介護保険法施行令第29 条の2の2第6項の規定の適用の申請(第97 条の2の2)
・高額介護予防サービス費の支給の申請(第97 条の2の3)
・医療保険者からの情報提供(第110 条)

 老健局長通知 
 
 厚労省は、同日あわせて、老健局通知、振興課長通知、介護保険計画課長通知を出し、各種の申請書、届出書のすべてについて、被保険者の「個人番号」を記載する欄を追加した。
 厚労省の各通知と様式改正
 要介護認定等の申請書にも右側上段に「個人番号」(12桁)の欄が設けられた


 マイナンバー法により、個人番号の取り扱にあたっては、厳格な本人確認、取得した個人番号(特定個人情報)の適切な管理が求められ、違反行為には罰則がある
 これらについては、来年1月からだが、10月から各世帯に「個人番号通知カード」が送付されることから、一部自治体では、先走った行為があり、混乱が起きている。 
 厚労省は、施行期日を「平成28年1月1日」としながら、「介護保険事務に係る個人番号の利用に関する留意点などをまとめた事務連絡については、10 月中を目途に発出予定である。」(老健局長通知)と、極めてスローな対応である。
認知症や単身の利用者などは、これまでも要介護更新認定申請などの諸手続きはケアマネジャーや介護事業所が代行しているのが実態である。
 そこへ、突如、マイナンバー法による個人番号の「取得」や「管理」、「厳格な本人確認」などというまったく新しい業務が表れたのである。
 行政は、現場や利用者に負担とならないよう、柔軟かつ親切な対応が求められる。ところが、一部の自治体では、厚労省の「留意点事務連絡」が出るまでに、内閣官房番号制度担当室の指導をそのまま、持ち込み、ケアマネジャーの代行申請にまで「番号カードによる確認」などガチガチの対応を求めている。

(以下引用)

介護保険 マイナンバー押し付け大混乱

「番号なくても受理」 小池氏・民医連要請に厚労省

 共通番号(マイナンバー)制度の導入を受け、厚生労働省は、介護保険の各種手続きで来年から個人番号の記載や確認を求めることを決め、全国の事業者に通知しました。利用者や介護事業所などの負担が大幅に増えることに懸念が広がるなか、この通知をめぐって一部の自治体が誤った“指導”を始めたことで混乱に拍車がかかっています。

 通知は9月29日付老健局長名で出されたもの。介護保険証の交付申請▽要介護・要支援認定の申請▽同更新認定の申請▽高額介護サービス費の支給の申請―など、あらゆる申請書に個人番号を記載するよう求めました。高齢者・利用者には何のメリットもない、手間を増やし、個人情報の流出のリスクを高めるだけの改悪です。
行政が対応誤り
 介護保険の申請では、認知症や要介護状態の本人に代わって介護事業所・施設の職員やケアマネジャーらが代行している実態が多くあります。厚労省の通知に対して、事業者からは、その場合「個人番号が分からないケースでも申請が受け付けられるのか」「本来、個人番号の管理事業者ではない介護事業者が番号を集めていいのか」「万一、番号が漏れた場合は介護事業所が罰則を受けるのか」などの疑問が噴出しています。

 さらに、厚労省の通知を受け、一部の自治体が「今後、個人番号の記載がない場合は申請を受け付けない」「介護事業所が申請を代行する場合は、マイナンバーカードか、そのコピーを持参するのが義務」だと説明。現場は大混乱に陥っています。

 こうした事態を受け、日本共産党の小池晃参院議員と全日本民医連の担当者らがこのほど、緊急に同省老健局に対し対応をただしました。

 同局担当者は、「個人番号の記載がなければ介護保険の申請は受理されないということか」との質問に「そうならないようにする」と回答。たとえ記入がなくても、行政が住民基本台帳から番号を確認することは可能であり、“番号の記載がないことを理由に申請をはねのけることはしない”ことが確認されました。

 介護事業所に利用者の番号が蓄積される問題をめぐっては、番号の管理は求めるが「万一流出しても、故意に漏らしたのでないかぎり罰則はない」と説明。「自治体の対応や事業者での番号の取り扱いなどについては、今月中に具体的な中身を示す事務連絡を出す」「自治体に誤解を与えたり、事業所の業務に支障を与えないように配慮する」と繰り返しました。

抜本的に改めよ

 小池議員は「介護サービスの申請・給付に本来必要のない番号の記載を義務付ける矛盾が露呈している。介護職員に個人情報を扱わせることは、利用者・家族との間にあつれきを生みかねない。こんなやり方は抜本的に改めるべきだ」と話しています。


2015年10月10日(土)しんぶん赤旗


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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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