2015/12/23 Wed
これは、国家的な詐欺だ
私は、高齢者とともに闘いながら、行政の末端で介護保険の実情も見てきた。介護保険制度を知れば知るほど、「これは国家的な詐欺だ」との思いを強くした。


私が1年前の2014年12月に出した本「介護保険は詐欺である」(日下部雅喜著・介護保険料に怒る一揆の会編 三一書房)の巻頭の一節である。

そして、今年11月には、介護保険創設時の厚生労働省老健局長だった堤修三氏が同じこと言われているそうだ。

先日名古屋での中央社保協の全国交流集会で、講演された全日本民医連の林j事務局次長によると

シルバー産業新聞の2015年11月10日号のインタビュー記事で
「保険料を納めた人には平等に給付を行うのが保険制度の大前提」。
しかし「2015年改定や財務省の給付抑制路線の提案では、この前提が崩れつつあると危惧している」
さらに要支援者の訪問介護などを市町村の事業に移し替えたり、補足給付に資産要件を導入するなどは、保険制度からいえば全くの筋違いで、「団塊の世代にとって介護保険は『国家的な詐欺』となりつつあるように思えてならない」


と語っているとのことである。



日本の高齢者行政のトップに位置し、2000年の介護保険制度スタート時に老健局長を勤め「介護保険の生みの親」とまで言われた人が、今日の介護保険のありようを、私が1年前に言ったと同じ言葉で「国家的な詐欺」と評されたことの意味はとても大きい。
私のような一地方自治体の木っ端役人ならいざ知らず、厚生労働官僚のトップで、老健局長の後、社会保険庁長官まで勤め、現在も大阪大学大学院人間科学研究科教授の言葉である。

私との違いは、「介護保険は国家的詐欺である」と断定はせず、、「団塊の世代にとって介護保険は『国家的な詐欺』となりつつあるように思えてならない」と控えめで限定的に表現されている点である。

65歳となった団塊の世代の前期高齢者たちは、高い介護保険料を取られ始めている。しかも下がり続ける年金からの強制天引きである。このまま介護保険改悪が続けば、彼らが後期高齢者となる2025年には、要介護3以上でないと保険給付は受けられず、利用者負担は2割負担となり、一定の預貯金があれば3割以上の負担を強いられかねない。介護保険料は現在の1.6倍~2倍に跳ね上がり、介護人材の不足で地域の介護基盤は崩壊、というまさに、地獄絵のような未来がまっているのだ。

堤修三氏が嘆いているのはこの点であろう。
団塊の世代へのこのメッセージは、国家による詐欺に騙され続け、暗黒の老後を迎えるのか、詐欺を見抜き闘いに立ち上がるのかの歴史的岐路にたっていることを示している。

私は、「介護保険は国家的詐欺」と指摘する点では、堤修三氏と同じだが、堤修三氏との決定的な違いは「危惧」し「嘆く」だけでなく、「たたかい」を呼びかける点では決定的に異なる。

介護保険料に怒る一揆の会は、介護保険の生みの親でさえ認めた「国家的詐欺」である。介護保険と徹底的に闘う。

「たたかいなくして老後の安心なし!」
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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