2017/01/27 Fri
大阪市総合事業4月開始問題で1月26日交渉生活援助型25%単価引下げ
新規要支援者はサービス受けられず、事業所は大幅減収、ヘルパーは賃金ダウン!?
事実認めず居直り答弁繰り返す大阪市

「総がかり行動」として交渉
1月26日、介護保険 新総合事業問題の大阪市交渉(協議)が開かれました。この交渉は、大阪社保協も参加する「介護・福祉総がかり行動(準備会)」が昨年11月25日 「介護の切り捨てアカン!本気の大集会」で多くの団体・個人の賛同で採択した「要請書」に基づき行われたものです。この交渉は、要支援者のホームヘルプサービス(訪問介護)が今年4月から介護保険から外され、大阪市事業(総合事業)に移行することに絞って行われました。
「基準緩和型の訪問サービス」は約8割の事業所が参入見込み
大阪市の「生活援助型訪問サービス」(基準緩和型)は、無資格者にわずか12時間の研修をしただけの従事者に担わせ、事業者への報酬単価は現行の75%に大幅に引き下げるというものです。
交渉では、総合事業への参入請事業者数について、大阪市は「訪問介護事業所は約2000。そのうち 約8割が現行相当(「介護予防型訪問サービス」)の指定を申請した。さらにその内8割が緩和型(「生活援助型訪問サービス」)にも指定申請した」と回答。その計算でいくと約1200事業所が「生活援助型」に参入することが明らかになりました。
    従事者養成は全市で百数十名程度?     「担い手」は確保されず!?
  しかし、その「担い手」を養成する大阪市の「生活援助従事者研修」(昨年12月から今年3月まで10回・延べ400人定員で実施中)は、現時点(4回終了)で160人定員のところ138人受講申込とのことでした。さらにその中で「就労中又は就労予定等」は40%位とのことでせいぜい百数十人程度しか「新たな担い手」が養成できないことが明らかになりました。
これでは、参入事業所1200に対し、ほとんど「研修受講者」は回ってこず、大半の事業所は人材が確保できず、現有の有資格ヘルパーで対応せざるを得ません。
 
「サービス提供しなくてもよい」(大阪市答弁) これでは新規要支援者はヘルパー難民続出?!
   私たちの「有資格ヘルパーがサービス提供して報酬だけ下がり事業所はやっていけない」との追及に対し、大阪市は「生活援助型の指定を受けても、運営基準からサービス提供拒否禁止を削っているので、提供するかどうかは事業所判断だ」と答えました。
大阪市の言い方では、「人材が確保できなければ、サービス提供は拒否してもよい」ということになってしまいます。総合事業が始まる4月以降に新たな要支援者がヘルパー派遣を希望しても生活援助型を提供する事業所が見つからない、というヘルパー難民を生み出すことになりかねません。ところが大阪市は「そういう事態は想定していない」、「当方としては400人養成する予定でありそれで対応できると考えている」の一点張りでした。今年4月時点で1200事業所が参入するのに、従事者研修受講者で実際の「担い手」はどう計算してもその10分の1程度しか確保できる見込みしかありません。大阪市の答弁では新規の要支援認定者は1年間で5000人程度、その内約半数がサービスを利用し、ヘルパー利用は6割程度としても、1年間で千数百人の新規利用希望者が発生します。小学生の算数レベルの問題であるにも関わらず、何の根拠もなく、「対応できるはず」と強弁する無責任な態度は許せません。
「専門職の処遇悪化招かないように」との厚労省の注意も無視
事業所が現有の有資格ヘルパーで生活援助型サービスを提供しても報酬は25%も下がり、事業所の収入が減少することについては、大阪市は「そのとおり」と認めました。厚労省は昨年10月の事務連絡で、「専門職が下げられたた単価によるサービスを担う場合…最終的には介護専門職の処遇悪化に繋がる」と注意喚起していることにも「ヘルパー資格者で提供するかどうかは事業所判断」と責任転嫁をする答弁に終始しました。
 このままではヘルパー難民、事業所減収、ヘルパー賃下げ
さらに、「総合事業開始時に生活援助型の指定事業所で研修受講者が採用され実際にサービス提供できる事業所の一覧表は作るのか」と聞いても「それは予定していない。何らかのものは必要だと思うが」という無責任な回答でした。
私たちは、「新たな担い手も確保せず、要支援者にサービス提供拒否による利用困難を招き、事業所には減収、ヘルパーには賃下げをもたらすだけの生活援助型サービスは撤回し、現行単価によるサービス提供をできるようにせよ」と求めましたが、大阪市側は「ご要望として承ります」としか答えませんでした。
 
「サービス利用に係る対象者振分け基準」―大半の新規利用者は生活援助型しか利用できない
  大阪市の「訪問型サービス利用対象者振分け基準」では、新規利用者で、現行相当サービス(介護予防型訪問サービス)を利用できるのは主治医意見書で ①認知症高齢者自立度Ⅱ以上、②障がい高齢者自立度B以上など、要支援者ではきわめて少ない状態像を示しています(大阪社保協調査では10数%)。これでは、4月以降、新規の要支援者のほとんどは、現行ヘルパーサービス(介護予防型訪問サービス)は利用できなくなります。
「根拠」答えない大阪市。厚労省担当者も「おかしい」
これについて「根拠は何か」と質問しても、「地域包括支援センター管理者会世話人会(6人)の意見で決めた」というだけの無責任な返答でした。さらに厚生労働省老健局振興課の担当者が、昨年12月5日の交渉の際に大阪市の振り分け基準は「要支援者でない状態像となっておりスキームとしておかしい」と述べていることについてもまともな反論はありませんでした。
総合事業開始前からの利用者は現行サービスが継続利用は可能
ただ、総合事業開始前からのヘルパー利用者でも認定更新の時に「振り分けられるのではないか」との懸念については、大阪市は「要支援状態が継続しサービス利用が継続する限り未来永劫、現行サービスは利用できる。このことはQ&Aではっきり書く」と回答しました。  
振分け基準問題は担当部署出席し再度交渉
交渉の中で大阪市側の答弁者(高齢福祉課・在宅サービス担当課長代理)が「私の部署は案を作っただけで決定と運用は別な部署なので答えられない」と言いだしたため、「担当部署の責任者が出席する交渉を開き直せ」と求め、再度日程調整して再交渉することになりました。
 
 
 
 
 
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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