2017/04/06 Thu
 堺市のOB、しかも介護保険担当部署のトップであった人が経営するグループホームで発生した介護事故と入居者への一方的な退去通告、家族への度重なる侮辱発言。家族は堺市の介護保険担当部署に相談するが、まったく対応せず。やむなく、家族が行った簡易裁判所への調停申立で、事業者側は「解決金」を支払った。行政がなすべきことをしないため、当事者家族が多大な労力と犠牲を払わないと救済されない介護サービス現場の実態を示す事件である。
 福祉・介護オンブズマンとして、この問題を取り上げ、堺市に対し、 「利用者の救済及び介護事業者に対する指導についての要求」を当事者のご家族とともに提出した。堺市の真摯な回答を期待するものである。


2017年4月6日

堺市健康福祉局長寿社会部
介護事業者課長  様

福祉・介護オンブズマン 
管理者  日下部雅喜


利用者の救済及び介護事業者に対する指導についての要求

介護サービス利用者の権利と尊厳が守られるために自治体の果たす役割はきわめて重要である。とくに、利用者・家族からの救済申立て(苦情)については、迅速に対応し、事業者に対する調査の実施及び指導・助言が不可欠である。

しかし、堺市では、そうした役割を全く果たさず、最初から「民・民の問題」と決めつけ一切の調査や指導を放棄する無責任な事態が起きている。別紙の事例では、それに加えて、当該事業者の代表者が堺市の元幹部職員であり、在職中は介護保険の担当部署の部長職であったことから、堺市のとった対応が一層鋭く問われるものである。

利用者の尊厳と権利を守り、介護サービスの質を向上させるためには、この間の堺市の無責任な対応の問題点を明らかにし、利用者の救済と介護事業者に対する指導機能を抜本的に強化することが必要であると考えている。
以上の立場から下記のとおり要求するので速やかにご回答していただきたい。




1 別紙の事例について、堺市の見解を明らかにすること。

2 社会福祉法人○○及びグループホーム□□に対する指導監査の内容及び結果について明らかにすること。

3 堺市として、利用者の尊厳と権利を守り、ケアの質を向上させるために、苦情相談に関する対応を抜本的に見直し強化すること。
とくに、①介護事故が発生した場合の調査・原因究明・被害者対応・再発防止のための指導 ②サービス提供拒否や利用契約違反に対する調査・実態把握と是正指導 ③利用者・家族と事業者との協議に対する法令遵守と公正確保の立場での積極的な関与 について具体的方策と体制の確立を速やかに行うこと。


(別紙) 
 堺市OB(在職時介護保険担当部署の部長職)が設立し代表を務める事業者による不適切な介護及び権利侵害の事件
1 概要
 グループホーム(認知症対応型共同生活介護)で介護サービスの提供を受けていた利用者に対し、頻回に介護事故を発生させ、そのため入院したが、退院・リハビリ後の再入居の希望を家族が伝えていたにも関わらず、退去を通告し侮辱する発言を浴びせた。
当事者
 A利用者 大正5年生まれの女性。事件発生当時98歳、要介護4
 B家族  長女
 C事業者 社会福祉法人○○福祉会 グループホーム□□
     ※設立者(現理事長)は、介護保険開始時に堺市で担当部署の部長を務めた人物
2 経過
①介護事故
 2011年2月からAさんは、グループホームHに入居しサービスを受けていた。入居してから2014年7月までの間にAさんは18件もの介護事故に遭い身体を傷つけられた。とくに、ベッドに括り付けてあった鈴の輪で11針の縫合処置(2013年9月)、同様の事故で16針の縫合処置(2014年4月)、転倒し大腿骨頸部骨折の重傷(2014年7月16日)を負ったにもかかわらず翌日まで病院に受診させなかったという不適切な対応をされた。
②契約違反の退去通告・侮辱発言
Aさんは、上記の骨折事故により入院となったが、グループホームの利用契約書では但し書きにより双方の合意の上で契約を継続できることになっていたので、2014年7月26日にBさんとグループホーム副施設長と相談の上、退院・リハビリ終了後は再入居することを合意していた。ところが、2014年7月28日に、グループホーム施設長は、次の入居者が決定したとして荷物を持って帰るように通告した。この対応の際、施設長は、Bさんに対し、暴言を吐き、その後8月2日にも繰り返し侮辱発言を行った。
3 堺市の無責任な対応
 Bさんは堺市介護事業者課に2014年8月に本件について相談し、堺市に事業者に対する指導を依頼したが、「民・民の問題です」と取り合わず、グループホームHに対する調査・指導を行わず放置した。
4 その後の経過
 Bさんは、2014年に11月に大阪府国民健康保険団体連合会介護サービス苦情処理委員会に苦情申立し、2015年11月に処理結果通知をうけたが解決しなかった。2016年1月8日に堺簡易裁判所へ調停申立を行い、同年10月に相手方が、解決金を支払うことで調停が終了した。

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プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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