2017/08/25 Fri
自治体による「自立」「卒業」の強制
  改定介護保険の先取り、大阪府大東市の実態と問題点 その4


 介護保険の大改革 住民力で費用を抑制!?

ホームヘルパー利用も制限
 訪問型サービスでも、新規利用者を中心に従来のホームヘルパー利用が予防マネジメントで認められなくなり、住民主体B型訪問サービス(生活サポート事業)へと回されている。生活サポート事業は市内のNPOに委託しているが、30分250円の有償ボランティアで、困難な生活課題を抱えた利用者には対応できない。現場では、「腰椎圧迫骨折の要支援者に現行相当サービスの利用が認められず、生活サポーターが対応できないため、訪問看護師が食事の準備をしている」、「糖尿病だが、更新で要支援になった人が現行相当のデイサービスを利用させてもらえず、生活サポーターが家事援助しているが服薬のケアができなくなった」「現行相当のヘルパーもデイサービスも使えなくなった要支援者が小規模多機能型居宅介護に回されてくる」など多くの問題が発生している。
孤立化・重症化した「被害者」も
 糖尿病による末梢神経障害で歩行困難になり、入院治療し「要支援1」で退院されたAさんは、主治医から通所リハビリの利用でリハビリと入浴を指示された。ところが大東市はこれを認めず、自分で「大東元気でまっせ体操」を自宅で行うよう指導し入浴は自宅の風呂場の住宅改修ですまされた。しかし、Aさんは体操どころか入浴も4ヶ月以上できず糖尿病も悪化し足指が壊死する状態になり、さらに他の病気も併発し入院となり、現在は「要介護5」まで悪化した。これは昨年8月に大阪社保協に相談があり、大東市の問題を取り組む契機となった事例であるが、大東市の介護保険運営が、「自立」一辺倒で本人の基礎疾患も無視して必要なサービス利用を認めなかったために起こった不幸な事件である。本人・家族も勇気を出してNHK「クローズアップ現代」の取材に応じていただいたが、大東市の誤った「保険者機能」によって奪われたものはあまりにも大きい。
大東市に改善求める運動広がる
 この相談をきっかけに大阪社保協では、大東社保協、民医連加盟の協立診療所、共産党市会議員団とともに「大東市介護保険問題対策会議」を発足させ取り組みをすすめてきた。今年4月22日に「大東市の介護保険・総合事業の1年を検証する集会」を250人の参加で成功させ、6月17日には市内事業者によびかけて「大東市介護保険問題を考える懇談会」を開催し、大東市には「改善を求める要望書」を提出した。
 容易に問題点を認めず、「被害者」への謝罪すらしない大東市に対し、今後も改善運動をすすめ、大東方式の転換を求めていくことにしている。
(おわり)
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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