2017/08/31 Thu
  大東市 介護保険・総合事業問題交渉 当局の都合で時間切れ

 8月31日、大東社保協は、市当局と「介護保険・総合事業の改善を求める要望」についての「交渉」(回答懇談会)を行い、大阪社保協と北河内ブロックを含め50人が参加しました。
 この話し合いは、大東社保協が大阪社保協と連名で今年5月31日に大東市当局に「要望書」を提出し、6月27日付けで文書回答が行われたことを受けて開催されました。大東市側は大石高齢介護室長と逢坂参事他1名が対応。当初2時間程度の予定でしたが、前日になって大東市側が「次の予定があるので1時間にしてほしい」としたため、かなり省略した話し合いとなりましたが、途中で時間切れとなりました。

まず「生活サポーター」(有償ボランティア)ありき 
 利用者のサービス選択権を尊重し、「現行相当サービス」の利用を制限しないよう求めました。
大東市の回答は「総合事業につきましては、サービスの利用を制限するのが目的でなく、自立支援に資する取組を推進し、介護予防の機能強化を図るもの」というものでした。
 社保協側から、要支援者が現行相当サービス(ヘルパー、デイサービス)の利用が制限されている事例が出されました。とくに、ヘルパーが利用できず「生活サポーター」(住民主体B型・有償ボランティア)に回されている事態が紹介されました。「ヘルパーが入れず生活サポーターになり、水分補給等のケアができなくなり、熱中症、脱水症状の人が増えた」「腰椎圧迫骨折の要支援者に現行相当サービスの利用が認められず、生活サポーターが対応できないため、訪問看護が食事の準備をしている」などです。
大東市は、「新規の人には、まず、生活サポーターを利用していただく。継続の方には、生活サポーターを提案している」とし、対応できず専門職によるサービスが必要と判断されればヘルパーによる対応もあると述べるにとどまりました。

要介護認定申請 「断ることはしないはず」
 要介護認定申請の制限を行わず、すべての相談者には、要介護認定申請を案内するよう求めましたが。大東市の回答は「迅速なサービスの利用を可能とするために、基本チェックリストの利用を勧めています」というものでした。
 しかし、現場からの声として、「窓口まで歩いてきた人に『申請できません』と断った」「ケアマネジャーへの締め付けで『認定申請代行すると目を付けられる』という意識が広がっている」「認知症の人にも『トイレまで歩いて行けるのなら申請は必要ない』とさせてもらえなかった」などの例があります。
 これに対し、大東市は「断ることはしないはず。そう受け止められているとすれば窓口での言い方の問題なので、伝える」とのべましたが、問題となっている「窓口対応マニュアル」の見直しについては否定しました。そればかりか「認定申請で40日待つのとチェックリストでその日に事業対象者となるのとどちらが便利か」と問題をすり替え、「認定で上がってくる主治医意見書の大半はリスク情報などの記載がなく認定必要しか書かれていない」など医師の意見書を愚弄するような発言も繰り返しました。

卒業強制、「自立」押しつけ問題 
 サービスからの「卒業」強制について、「インスリン投与が必要な状態で退院。軽度の認知症もあるため、指導の為訪問看護を計画したが、継続的なサービス計画を立てるべきではないと市から指導された」、「更新時、要介護から要支援になった。デイサービスの中止を提案されたが、デイサービスに行っている日が家族にとって唯一のレスパイトケアであったため、市に直談判して継続してもらえるようになった。直談判できない人はあきらめているのではないか」「デイを卒業しても一人で外出できない人がいる、閉じこもっている」などの事例をあげて大東市の見解を質しました。
 大東市は「平成28年度の一時期に卒業の強制があったことは事実です。その時にそうしたことがないようにケアプラン担当に徹底したが、最近も一部にその傾向があったので再度7月にケアプラン担当者を集めて周知徹底した。本人・家族の同意を得ること、担当一人で判断しないこと、卒業する人のその後の状況を把握することなどを伝えてので、今後は卒業強制はないと思う」と答えました。
 しかし、NHKクローズアップ現代で紹介された2つの事例については、大東市の責任を断じて認めようとしませんでした。特に、医師の指示した通所リハビリの利用ができず、症状が悪化し短期間のうちに要支援1から要介護5になった人については「あれは本人の医療拒否があった」などと自己責任にするような発言があり、参加者との間で議論になりました。
 交渉開始後1時間を過ぎた時点で、対応していた参事は、やり取りが途中であるにもかかわらず「時間ですし次の予定がありますので」と一方的に席を立って会場を出ていったのです。参加者から「逃げるのか」と声が上がると、今度はドアを開けて入ってきて参加者をにらみつけ「逃げていません!」と捨て台詞をはいて立ち去りました。
 参加者からは「あれが公務員のとる態度か」と怒りの声が上がっていました。
 大東社保協は、交渉が途中で終わっていることもあり、再交渉を行うよう当局に求めています。

【参考】   2017年5月31日要望項目と 6月27日大東市回答
1 利用者のサービス選択権とケアマネジメントの裁量を尊重し、「現行相当サービス」の利用を制限しないこと。市との「協議」は廃止すること。
回答)総合事業につきましては、サービスの利用を制限するのが目的でなく、自立支援に資する取組を推進し、介護予防の機能強化を図るものです。本市が主体的に総合事業に取り組むために、今後も地域包括支援センターへの助言等に努めてまいります。
2 要介護認定申請の制限を行わず、すべての相談者には、要介護認定申請を案内し、基本チェックリストはアセスメントの中で利用すること。
回答)相談の過程において、介護予防・生活支援サービス事業によるサービスのみを希望される場合は迅速なサービスの利用を可能とするために、基本チェックリストの利用を勧めております。
3 要支援者のケアマネジメント(「介護予防支援」「介護予防ケアマネジメント」)については、その業務の一部を居宅介護支援事業所にも委託できるようにすること。
回答)ケアマネジメントについては、自立支援・介護予防を推進するため、指定を受けた地域包括支援センターが行っております。現在。地域包括支援センターが自立支援型のケアマネジメントプランの作成を適切に行えるよう、研修会や事例検討会を実施しており、将来的には再委託することも検討してまいります。
4 「自立支援」に名を借りたケアプランへの締め付け・「卒業」強制を行わないこと。「卒業加算」「移行加算」については廃止すること。
回答)総合事業につきましては。サービスの利用を終了させるのが目的ではなく、地域包括ケアシステムの構築を視野に、本市が主体的に自立支援・介護予防を促進するために、地域包括支援センターへの加算を設定しているものです。
5 みなし指定の「更新要件」(現行相当サービスから移行・卒業、自立支援研修受講)を撤廃し、通常の指定更新を行うこと。
回答)サービスを提供する事業者にも、本市の総合事業の理解を求め、自立支援・介護予防を促進するため、指定更新の要件としております。
6 「介護予防」や「住民主体の地域活動」については、多様で創意ある取り組みと住民の自発性を尊重すること。「元気でまっせ体操」一本やりの画一的な行政対応を改めること。
回答)介護予防事業等におきましては、住民等の自主活動を尊重しており、その一環として「大東元気でまっせ体操」が位置付けられています。今後も、各地域の住民を中心とした自主活動を支援してまいります。
7 ケアプランの作成には医師の意見を尊重し、要支援者の背景にある基礎疾患に配慮して、安全安心に新総合事業をおこなうこと。
回答)ケアプランの作成には、医師の意見を尊重することが必要であると認識しております。本市では、医療介護連携を推進しており、今後も、主治医と介護支援専門員等が情報共有できるよう取り組んでまいります。
8 要支援の人の意思と人格を尊重し、「生活機能向上」一辺倒の指導を改めること。多様な「生き方」と「尊厳」を保持した支援となるようにすること。
回答)サービス利用者の意志を大切にしたアセスメントを行った結果、当該利用者が実現したい生活を阻害している要因が生活機能の低下にあるのであれば、機能向上を目指した支援になります。また、生活機能以外の部分に要因があるのであれば、必要なアプローチを行うことになります。今後も、個別の支援により高齢者の「したい・できるようになりたい」という思いの実現を目指してまいります。
9 現行相当サービスから多様なサービス等へ移行をした利用者、サービスから卒業した利用者すべてに対して詳細な追跡調査・分析・評価を行い、結果について公表すること。
回答)現在、当該サービスを移行された方や卒業された方について、確認作業中です。なお、結果につきましては、個人情報に十分配慮し、差し障りのない範囲で公表するよう努めてまいります。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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