2010/08/31 Tue
8月30日の社会保障審議会介護保険部会で 検討テーマの一つに「要介護認定見直し」が上げられた。
①要介護認定の簡素化や廃止の是非②区分支給限度基準額や算定対象の見直し である。

 要介護認定は昨年の一連の要介護認定基準の改悪-現場からの反発-修正、という一連の経過を経て、心ある人びとの中に、根本的な不信感がひろがってきた。

 樋口恵子氏や白澤正和氏が共同代表をされている「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」は、要介護認定の「将来廃止、当面 簡素化」を要望している。「3段階への簡素化」も多くの関係者の意見として当面の見直し案としては有力である。


しかし、報道によれば、30日の介護保険部会では、

要介護認定に関しては、「廃止すべき」(勝田登志子・認知症の人と家族の会副代表)
「3段階に簡素化すべき」(木間昭子・高齢社会をよくする女性の会理事)
など、廃止や区分の簡素化の意見と

「認定制度は必要」(土居丈朗・慶大教授)という意見

に分かれたとのことである。

「(介護保険部会では)時間が限られている。要介護認定については、別に一定程度の時間をかけて国民的議論を実施すべき」(結城康博・淑徳大准教授)

介護保険部会とは別の場を設け、じっくりと議論すべきとする意見も多く上がった。

とあり、なかなか 見直しの方向には行っていない。

区分支給限度基準額についても
「前回の介護報酬改定で増えた各種の加算や医療的ケアの利用拡大に対応した引き上げは必要」(齊藤秀樹・全国老人クラブ連合会理事)という引き上げ意見と
「財政のことも考慮し、慎重に議論すべき」(藤原清明・日本経団連経済政策本部長。久保田政一・日本経団連専務理事の代理)という慎重論に分かれたと報道されている。


 ある意味、今回の介護保険見直しの議論の中心になるべきが、この要介護認定見直しは、介護保険の根幹にかかわるものであるだけに、抵抗が強い。

 なかでも、池田省三氏や堀田力氏などは「要介護認定は絶対必要」との集会まで開いて「現状維持」を唱えている。

 池田省三氏が、社保審・介護給付費分科会に提出し、介護保険部会にも資料配布されている「意見書」によれば、
 「要介護認定の廃止・簡略化は介護保険制度を根底から覆す」と危機感を表明したうえで
 
 「認定廃止・簡略化は、社会的公正さを欠き、財源の見通しも考えない無責任な論議であり、介護保険の崩壊につながる自殺行為として、明確に否定されなければならない」などと
 ヒステリックに主張している。

 これこそ、「制度維持」だけを自己目的化して、現場や利用者、国民の実態を無視する手前勝手な御用学者の意見である。

 認定のたびに「要支援」「要介護」を繰り返し、右往左往する利用者。
 状態が悪化しているのに、軽度に認定される
 末期がんなのに 要支援と認定
 認定による区分支給限度額は、在宅介護の必要量に足りず膨大な自己負担が発生する

 などなど、現行の認定制度は問題だらけである。

 また、認定にかかわる膨大な手間ひまと経費は介護保険の無駄の最たるものである。

 これを見直そうという議論は、介護保険10年を迎えた現在当然のことである。

 現実を直視した良識と勇気ある議論を期待したい。






スポンサーサイト
Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索