2010/09/01 Wed
昨日のブログで 池田省三センセイが、現行の要介護認定制度が いかにすばらしいか 述べている と書いた。

 いかに現実をみない議論か。

こんな例もある。

知的障害の孫さんと二人暮らしの女性 70歳代後半。

家事は一手に担ってきたが、胃がんで入院、末期であちこちに転移している

退院後のことを考え 要介護認定申請

退院の日に認定調査

退院後は、訪問介護週2回と福祉用具(歩行器)をレンタルし、在宅で療養


要介護認定の結果は「非該当」。

要介護認定等基準時間は 23.8分

あと1.2分で要支援1なのに。

主治医意見書には がんの病状が 明記してある。


それよりも、入院中だったので、「点滴」と「モニター測定」が主治医意見書にチェックされているが、調査員の調査項目では 「なし」

明らかな不整合 主治医意見書も入院中、認定調査も入院中 それぞれ10日間も開いていない。

認定調査のチェックもれの可能性が高い。

もし 認定調査でチェックされれば、「点滴」(8.5分) モニター測定(3.6分)で 12.1分も加算される
 これを加算すれば、要介護認定等基準時間は 35.9分となり、要支援2または要介護1(32分~50分)である。
 末期がんであるから「状態不安定」で要介護1である。

 それが、1ヶ月以上もかかって 非該当の 結果になった。
 

 退院後、暫定プランで利用していたサービスはすべて自費に。

 ご本人は「すべてに見放されたのか」と大ショック。

 要介護認定の現場では、場合によってはこんなことも起こりうるのだ。

 コンピュータと記録だけで、机上で 事前にろくに見ないで 1時間あまりで30件も審査すれば、誰も気に留めず、こんな結果がでることもある。

 一見 精緻に見えるが モザイクのようなシステムである。

 今から新規申請をやり直しても、これまでのことはもとに戻らない。不服審査請求で認容される可能性は高いが、その結果は数ヵ月後である。
 救済措置も間尺に合わない。
 
 
 要介護認定が廃止されていれば、医師とケアマネジャーがそれぞれの情報を持ち寄り、即座に退院後の生活を十分に支援するための介護の必要量が決められただろうに。

 
 尊厳ある生、そして尊厳ある最後の日々  

 介護保険のあまりの残酷さに、言葉を失う。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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