2010/09/19 Sun
大阪社保協主催の「マスターケアマネジャー・ヘルパー養成研修」2日目。

先週出した「宿題」の各自の事例の生活アセスメントと総括表作成をもとに、各グル―プでケアプランと訪問介護計画作成のグループワークと演習。
 朝9時半から午後4時半までみっちり。
Image419.jpg

やはり「生活アセスメント」を基本にしたケアプランは強い。
利用者の生活の「歴史的・構造的把握」を土台にしているので、サービスに「目的」「狙い」がとても明確になる。

 90歳の認知症、一人暮らしの女性

 20年前に夫に先立たれ一人暮らし。3年前からアルツハイマー型認知症。

  
 訪問しても「自分でできてる」と拒否的。「電気もつけずぼんやり過ごしている」
 「長年暮らし慣れた町内であるが、他者との交流が少なく、息子が訪ねなければ何もせず終日過ごしている」
 「独力で買い物に行けていいたローソンが昨年11月閉店。買い物にもいけなくなる」
(心理・社会状況)

 「一人が気楽」とデイサービスを拒否する利用者に対し、ケアプアランで位置づけた「散歩介助」。

 生活全般の解決すべき課題(ニーズ)は、生活不活発による認知症の進行を防ぎ、安全に生活してほしい」
  これは、離れて暮らす息子の要望を取り入れたという。
 長期目標は、「認知症がこれ以上進行しない」
 長期目標は、「外出し、散歩をすることで、心身ともに活性化する」

 サービス内容は、「ヘルパーによる外出(散歩)介助」とし、留意点に「・散歩中にヘルパーとの会話を楽しむことから信頼関係が深まる」「・ご近所との顔見知りの関係になり、地域の支援をうけられるようになる」「・外に出ることにより好きな花を見ることができ、季節の移り変わりを感じられる」
 とやや、詳しく、散歩介助にあたるヘルパーが、「何のために」散歩をするのかが分かるように記載されている。

 ケアプランに表現方法、記載方法はさまざまな意見があるだろうが、散歩について、多面的な狙いや効果をきちんと押さえられている。
 
 サービスに拒否的な利用者に、「散歩中の会話」はヘルパーとの信頼関係構築の可能性を秘めた場面であり、近所とのあいさつ、関係づくりは、独居の認知症高齢者にとっては、見守りも含めた支援の関係づくりの第一歩である。

 他の事例も、生活アセスメントに基づき、通院の際の院内介助、通院外出の機会での買い物、同居家族のいる利用者への生活援助など、訪問介護でのサービスに何かと規制されがちな、サービス内容について、その必要性・根拠、そして目的を導き出す試みがなされた。

 参加したケアマネジャーは、「この研修を受けてもやもやがとれて、心がとても軽くなりました」と感想を語った。

 あるケアマネジャーの言っていた「利用者を本当に丸ごと理解していれば、本当に必要なサービスは自身をもってケアプランに導入できます。行政の締め付けに屈してしまうケアマネは利用者が理解できない人が多い」
 という言葉はそのとおりである。

 生活アセスメントを通じた 利用者理解、そして共感の獲得は、必要なサービスを適切に提供できるケアマネジメントの前提である。
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Category: 介護保険見直し

どりーむ >>URL

サ責さんの力

素敵な研修ですね。
大野先生の生活アセスメントについては、
私も書籍のみの学習ですが、
とての参考になると思いました。

おもわず、twitterのほうにも、先にカキコでしまいましたが、
記事の中にある「留意点」を
サ責さんがどれだけ意識して、
実際に活動して下さるヘルパーさんにつたえ、
モニタリング・評価したものを
ケアマネジャーに伝えて下さるか。
そして、ケアマネジャーが生活全般の課題達成にむけての
評価としていけるかが、
ケアマネジャーの、そして、訪問介護のサービスの質の向上に
つながりますね。

ケアプランと個別援助計画を共に考える研修。
私のところでも実施したいな・・・と思いました。
そのときは、是非、お力添えをお願いします!

Edit | 2010/09/20(Mon) 10:51:22

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき) >>URL

Re: サ責さんの力

コメントありがとうございます。
今回の研修は、初めて ケアマネジャーとヘルパー(サービス提供責任者)が一緒に学ぶ研修にしました。

グループワークの3グループのうち、一つはサ責さんばかりのグループにし、生活アセスメントの次の「プラン作成」では、「総合的な援助の方針」とニーズだけ記載し、あとは「訪問介護計画」の作成としました。

ケアプラン2表の「サービス内容」は個別サービス計画の指針となることが大切ですが、「留意点」の議論の中でケアマネジャー、サ責それぞれが、「はじめて指針の意味がわかった」と言ってくれました。また、サ責は、実際訪問するヘルパーに対し、「何のためにサービスに入るのか」を明確にすること、さらにヘルパーの「気づき」をいち早くキャッチし、ケアマネジャーに返す ことの大切さも、この作業を通じて理解いただいたようです。
 あるケアマネジャーは「サ責とケアマネ、いがみ合うのは、お互いに利用者理解ができていない場合、目標が共有化できていないときです」と言っていました。
 私も そのとおり! と思いました。

 ただ、既存の「訪問介護計画書」の様式や書き方マニュアル(たとえば、私が仕事で作成したhttp://www.city.sakai.lg.jp/minami/fukushi/jigyosha/pdf/1-2.pdf)は、ケアプランの「ニーズ」との連動が今一つで、「サービス行為」から組み立てる発想になっていることに気がつきました。この分野の研究も発展が望まれます。
 ドリームさんの力をぜひ、お貸しください。

Edit | 2010/09/20(Mon) 13:39:26

どりーむ >>URL

「場」の必要性&チェックの必要性

先日、アセスメントについての研修に
サ責さんにも呼びかけ、参加していただきました。
その時、
「アセスメントってどうするの」とか
「利用者さんの言葉から何をみなければいけないのか」
といったことが、なんとなくわかった。
こういった研修は、受けたことがなかった、と
感想をいただいたことを思い出しました。

ところで、一つ質問させて下さい。
居宅サービス計画諸(1)で、
「生活援助中心型」を算定する場合は、その理由を明らかにする項目がありますね。
この項目のチェックは、
「身体○生活○」という場合も、チェックが必要なのでしょうか?

業務で作成されたマニュアル(P10)には、
身体介護と生活援助とが混在される場合は、
生活援助は加算方式・・・とあるので、
「生活援助中心型」とはことなり、
チェックは必要ない・・・と思っているのですが、
考え違いをしていますか?

Edit | 2010/09/21(Tue) 02:00:12

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき) >>URL

Re: 「場」の必要性&チェックの必要性

とってもうれしいご質問です。

居宅サービス計画書(1)表の「生活援助中心型の算定理由」の欄への記入の必要性のことですね。
 私としては、「1回の訪問介護において身体介護と生活援助が混合する」場合は、厚労省通知を厳密に読めば、これに該当しないと思っております。
 「生活援助中心型の算定理由」の記載については「介護保険給付対象サービスとして、居宅サービス計画に生活援助中心型の訪問介護を位置付けることが必要な場合に記載する。」とされています。
 訪問介護の定義 「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準について」において、生活援助中心型や身体介護中心型の分類とは別に「身体介護と生活援助の組み合わせ」とわけて定義づけされておりますので、算定理由を記入するのがあくまで「生活援助中心型」であることを考えると、それとは別であるという解釈が成り立つと思います。

 これは、「法令順守!居宅サービス計画書 作成と手続きのルール」(2008年日総研)の著者である成澤正則氏も同意見です。(同書71ページ)

 成澤氏の所属する山形県の介護支援専門員協会に質問された回答としても『介護保険給付対象サービスとして、居宅サービス計画に生活援助中心型の訪問介護を位置付けることが必要な場合には記載することとされていますが身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間30分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を行ったときは、身体介護に生活援助を加算して算定するため、上記の算定理由の記載は必要ありません。』とあったそうです。
 また、「福祉介護情報掲示板」の主宰者である北海道・緑風園の菊池雅洋施設長も同じ見解のようです。

 ただ、一部の自治体(県を含む)の中には「加算であってもサービス行為として生活援助が提供される場合は、生活援助中心型と同じ制約を受けるので、この算定理由欄への記載を要する」という「拡大解釈型」もあることも事実です。
 
 しかし、こういう類の拡大解釈は、悪しきローカルルールを生み出しかねません。算定根拠に関するものであるだけに、訪問介護にとっては死活問題であり、厚労省に明快な通知文を出させるべきだと考えています。

 もともと、この欄は、訪問介護の生活援助中心型の算定だけを「例外サービス」として、介護支援専門員に厳格な管理を求める意図からつくられたとものだと思います。解釈は厳格にすべきだと思います。

Edit | 2010/09/24(Fri) 21:38:31

どりーむ >>URL

違うものは違う

お返事をありがとうございます。
お返事にあるお二人のご意見は、
私も、かねてより参考にさせていただいております。

そのため、
私も保険者や連絡会等に投げかけていますが、
「身体介護への加算としての生活援助」ということに対し、
理解が及ばないようで、
身体/生活の場合でも、チェックを入れるように指導があります。

今回、お返事を頂いたこと。
とても心強いです。
引き続き、違うことは違う!と、訴えていこうと思います。
ありがとうございました。

Edit | 2010/09/25(Sat) 00:47:18

 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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