2010/12/24 Fri
 11月末の社保審介護保険部会「見直し意見」から24日。

 厚労省がようやく、「介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント」を公表。利用者負担増の改悪メニューは盛り込まれなかった。

以下「法案のポイント」


介護保険法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント
※内容については今後変更があり得る
1. 医療と介護の連携強化等
○ 医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)の推進
○ 地域包括ケア実現のために、日常生活圏域ごとに地域ニーズを的確に把握した事業計画を策定
○ 単身・重度の要介護者等に対応できるよう、24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービスを創設
○ 保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化
○ 介護療養病床の廃止期限を猶予
2. 高齢者の住まいの整備や施設サービスの充実
○ 厚生労働省と国土交通省の連携による高齢者の住宅供給の促進
(高齢者住まい法の改正)
○ 社会医療法人による特別養護老人ホームの開設
3. 認知症対策
○ 市民後見人の活用など、高齢者の権利擁護の推進
○ 市町村における認知症対策の計画的な推進
4. 保険者が果たすべき役割の強化
○ 医療サービスや住まいに関する計画と介護保険事業計画の調和
○ 地域密着型サービスの提供事業者の適正な公募を通じた選考
5. 介護人材の確保とサービスの質の向上
○ 介護福祉士等の介護職員による日常の「医療的ケア」の実施
○ 労働法規の遵守の徹底、雇用管理の取組の公表
○ 情報公表制度の見直し
6. 介護保険料の急激な上昇の緩和
○ 各都道府県に積み上げられた財政安定化基金を取り崩して保険料の軽減に充てる法整備を行うことなどにより介護保険料を軽減




 私が、「改悪メニュー」として指摘していた6項目 
①利用者自己負担引き上げ
②居宅介護支援の自己負担導入
③多床室の室料負担の見直し
④補足給付の支給要件の厳格化(家族の負担能力の勘案)
⑤要支援者・軽度の要介護者へのサービス(保険給付対象外・2割負担化)
⑥地域支援事業(総合的生活支援サービス)
のうち、①と②と⑤については介護保険法の条文を改定しない限り不可能である。今回の「改正法案のポイント」を見る限り、①②⑤についての法改正は「先送り」である。
 しかし、「○ 保険者判断による予防給付と生活支援サービスの総合化」があるように、⑥は、要支援者に対する生活援助の保険給付対象外化の仕組みが持ち込まれることになる。どのような法案を検討しているか詳細は不明だが、まずは、法案化させないこと、法案になっても通さず修正させること、さらに、「保険者判断」とあるので、法制化されても持ち込ませず、軽度者の生活援助を守るたたかいがますます重要になる。今後、自治体レベルも含めた長い攻防となるだろう。
 さらに、③④は、介護保険法でなく、省令や告示レベルで決められる可能性があり、引き続くたたかいが必要である。低所得の施設入所者の負担を重くしたり、4人部屋に入居者から室料をとるような悪辣なたくらみは許してはならない。
 
 この厚労省発表と、その後の記者会見については、各社が報道しているが比較的詳しい記事はキャリアブレインニュースである。
 
以下引用


介護保険法改正での利用者負担増、全面的に見送りへ
医療介護CBニュース 12月24日(金)17時28分配信

 細川律夫厚生労働相は12月24日、来年の通常国会への提出を予定している介護保険法改正案について、居宅介護支援(ケアプラン作成)サービスへの自己負担導入や高所得者の自己負担割合引き上げなど、利用者負担の増加につながる内容を盛り込むことを全面的に見送るとともに、2012年度からの介護保険料(全国平均)を5000円以内に抑える方針を示した。同日の閣議後の記者会見で明らかにした。
 会見で細川厚労相は、現在4160円となっている介護保険料(全国平均)が、第5期介護保険事業計画期間(12-14年度)には約5200円になる見通しであることについて、「(保険料は)抑えなければいけない。5000円を超えないように検討したい」と述べた。その上で、「決定事項ではない」としながらも、介護保険法改正案に「利用者負担増(につながる内容)は入れない方向で行きたい」と語った。
 具体的には、都道府県の財政安定化基金を取り崩すなどして保険料軽減につなげる考えを示した。ただ、「(これから各都道府県の)了承を得ないといけない」とも述べた。
 利用者負担増については、「いろいろな意見がある」と指摘。居宅介護支援サービスへの自己負担導入などに対する賛否両論が併記された社会保障審議会介護保険部会の取りまとめや、介護保険料(全国平均)を5000円以内に抑える必要があるなどとした民主党政調の提言に触れた上で、「まずは(民主党などと)合意できる範囲で法改正したい」との考えを示した。
 また細川厚労相は、同法改正案のポイントとして、「地域包括ケアシステム」の実現をコンセプトに、(1)医療と介護の連携強化など(2)高齢者の住まいの整備や施設サービスの充実(3)介護人材の確保とサービスの質の向上―など6項目を明らかにした。
 (1)には、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスや複合型サービスの創設のほか、介護療養病床の廃止期限の猶予などが含まれる。
 (2)には、国土交通省との連携による高齢者住宅の供給促進と、社会医療法人による特別養護老人ホームの開設がある。
 (3)には、介護職によるたんの吸引を含む医行為の実施などが盛り込まれている。
 このほか、細川厚労相は、介護福祉士の資格取得方法の見直しを延期する法改正も行うことを併せて表明した。延期期間については明らかにしなかった。


 ようやく、負担増については「見送り」が正式に表明された。

 とりあえず、国民と関係者の世論が、利用者負担増と言う最悪の選択肢を許さず、押し返した到達点として、今夜のところは評価したい。
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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