2011/01/21 Fri
 厚生労働省が、要介護認定の見直しにかかるパブリックコメント(意見募集)をしている。

 一目見て「ナンヤこれ」である。

 「改正省令案概要」の内容は、
 ・区分変更認定の場合 現行 有効期間6ヶ月上限 → 12ヶ月上限へ
 ・要介護 - 要支援 をまたがる 更新認定の場合  現行 有効期間6ヶ月上限 → 12ヶ月上限へ

 たったこれだけである。

 「改正の趣旨」では、「『介護保険制度の見直しに関する意見』(平成22年11月30日社会保障審議会介護保険部会取りまとめ)を踏まえ…」としているが、いかにも 小手先の 微修正で、要介護認定の見直し議論とはほど遠いものである。

 ちなみに、「介護保険制度の見直しに関する意見」の該当箇所は、
(2)要介護認定について
○ 要介護認定は、介護保険制度において、客観的にサービス供給量を決定し、介護サービスの受給者の公平性を確保するために丌可欠な仕組みである。利用者が必要とするサービスが提供されるよう、要介護度区分の見直しや要介護認定を廃止し、利用者に必要なサービス量については、ケアマネジャー、利用者、家族、主治医、事業者、保険者による会議において決定すべきとの意見もある。
○ しかしながら、要介護認定の廃止は、
・ 要介護度区分を減らすような見直しは要介護度の改善により突然支給限度額が大きく減少することとなる
・ また、一次判定から二次判定に至る要介護認定のプロセスに変更がなければ、保険者の要介護認定に係る事務の簡素化にはつながらない
・ 要介護認定の廃止は、介護が必要な度合いが同程度であっても、提供されるサービスに大きな差が生じるなど、ばらつきの大きい仕組みとなる
・ 要介護認定を廃止すれば、給付を受けない健常な被保険者からみれば、節度なく給付を行っているかのように誤解されるおそれがある
といった問題があり、却って受給者間の不公平を生み出すおそれもある。
○ 当面、要介護認定に係る市町村の事務負担が大きいとの指摘があることから、要介護、要支援をまたぐ際などの認定の有効期間の延長を求める保険者の意見などを踏まえて、事務の簡素化を速やかに実施すべきである。
○ 要介護認定については、認知症の要介護度を適切に評価できているかなど、引き続き適切な仕組みとなるよう継続的に評価・検討していくべきであり、これについては、必要に応じて介護給付費分科会などにおいて十分議論されることが望ましいと考える。なお、この点について、要介護認定制度そのものについて、別途議論の場を設けるべきとの意見があった。


 もともとは、「要介護認定廃止」という 根本的な意見をめぐる議論であった。
 それが、「廃止論」のついて いわれなき決めつけ(節度なき給付、不公平等々)を前提に、当面「要介護、要支援をまたぐ際などの認定の有効期間の延長を求める保険者の意見などを踏まえて、事務の簡素化」という点だけに矮小化したものである。

 それが、今回の区分変更と要支援・要介護をまたぐ認定の有効期間の上限の引き上げ という「微修正」でお茶を濁す 結論となった。
 
 あとは、「見直し意見」で記載された「介護給付費分科会などの議論」「別途議論の場を設ける」と、議論はするが具体的な改革は際限なく先送りするという これまた ごまかしである。

 要介護認定の 問題点を告発し、改めて 「要介護認定廃止」を求める世論を高めることが求められている。
 
 
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Category: 介護保険見直し
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

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