2011/01/29 Sat
 昨夜、市役所の地下の一室で、「堺市を守れ」の思いから小さな会議を行った。集まったのはわずかに3人。

 「大阪都構想」で、3分割され吸収され消滅することになっている「堺市」。
(大阪都構想では、現在の大阪市地域の24区を合併し8都区に、堺市は7つの区を3都区に再編。周辺9市も都区とし大阪都20区を新たに設置。したがって「堺市」という自治体は消滅する)

 マスコミの圧倒的な影響力にモノを言わせ、高支持率を背景に「大阪維新の会」なる、ローカル政党を立ち上げ、一斉地方選挙に「大阪都構想」なるものを目玉に大阪府議会・大阪市議会で 過半数確保を狙う 橋下知事。

 大阪市の平松市長は「大阪都構想など妄想だ」と、全面的に対立している。

 しかし、「大阪都」で3分割され、吸収されることになっている わが堺市の竹山市長は、はなはだ歯切れが悪い。

 市長コメントでは、

 大阪市を含む旧五大市は歴史的な沿革から、港湾整備、大規模施設の設置などにおいて広域行政を担ってきたという経緯があり、大阪市と大阪府との間においてもいわゆる二重行政が発生し、非効率な行政運営が行われていると考えています。大阪都構想の基本的な制度論「強い広域自治体、優しい基礎自治体」の考え方、役割分担論は、その解決に有効ではないかと私も考えております。

と、まず、「制度論賛成」を説いている。

その上で、

 なお、堺市と大阪府との間には、大阪市と大阪府の間におけるような二重行政は発生しておりません。まずは、大阪府・大阪市の統合の効果を見極め、検証したいと考えております。


こういうのを「日和見主義」というのだろう。大阪府・市がどうなるか まずは「模様ながめ」という無責任で先送りの立場である。

 堺市を3分割されることについても

 基礎自治体の人口規模につきましては、小規模市町村の合併における財政効率の最適規模論を中心に色々な議論があるものの、84万人という規模が、住民ニーズを把握するうえで大きすぎるのではないかという意見があることについては理解できます。人口規模も含め基礎自治体として、堺市がどうあるべきかについては、将来にわたる重要な課題であると考えています。その際には、堺市が基礎自治体として経てきた合併などの歴史的経緯や地理的条件などを十分に考慮する必要があると考えています。

堺市の分割についてもありうるという容認姿勢である。
その上で、

なお、美原町との合併を経て平成18年4月に政令指定都市に移行したばかりの堺市においては、市民に対し手厚くきめ細かにサービスを提供するため、まず第一に、各区への権限と財源の移譲をすすめるべきであると考えております

と、合併して政令指定都市になったばかりだから、「当分は分割でなく区への権限移譲で」と これもはなはだ歯切れの悪い。


 もともと 竹山市長は、09年9月の市長選挙で、橋下知事の全面的バックアップで堺市長になった経過があり、「政令指定都市といえども大阪府に抵抗すればどんな目にあうか。橋下知事の絶対的権力の威光を府内市町村に見せしめとして誇示する政治的事実」を作り出し、「堺市は、府市対立が起こっても正面切って反対できない異様な事態」に陥った(「大阪都構想と橋下政治の検証―府県集権主義への批判」高寄 昇三)とまで言われている。

 敗れた前市長木原氏は「我、知事に敗れたり―2009年9月堺市長選」で、「高い人気を背景に、マスコミを総動員して展開されたパフォーマンスと大衆扇動。自分のいいなりにならない市長は、たとえ実績のある政令市の市長でも潰す。知事という公権力が、政令指定都市の市長選挙に介入。-この一点だけでも民主主義への冒涜である。『堺』が自由と自治に目覚め、勇気と情熱を持って蘇り、成果を受け継ぎ、発展させていただけることを念じてやみません」 と述べている。木原氏の「実績」や「情熱」がどの程度のものだったかは疑問だが、少なくともこの警鐘には同意できる。

 
 戦国大名の支配に服さず「自由都市」として栄えた堺。
 近現代も市制121年の もっとも古い市であり、5年前に「悲願」であった政令指定都市になったばかりのこの「堺市」。
 その堺市を「大阪都構想」のもとに、大阪市解体、府への吸収の「おまけ」として 3分割・吸収 とは、乱暴な話である。 堺市民にとってははなはだ迷惑であり、正常な思考のできる市長ならば「断固反対。堺市は独立自治でいく」と 橋下知事に「大阪都拒否宣言」を表明して当たり前だろう。
 大阪市の平松市長の毅然たる姿勢と比べると竹山市長の歯切れの悪い姿勢は、「売国」ならぬ「売市」に等しい。

 橋下知事は、このように控えめな竹山市長のコメントにさえ「最近の竹山市長は、少し間違った発言をしている。市長になったら、お山の大将でいたくなっちゃう」と まさに「上から目線」で、部下に対するような物言いである。

 維新の会が例え地方選挙で大きな議席を占めたとしても「大阪都」の実現には法改正も含めて多くのハードルがあり、長い年月がかかるだろう。平松市長がいうように「妄想」のようなものかもしれない。

 しかし、堺市の側からいえば、「堺市分割・吸収」という、「わが自治体」が消えてなくなるような暴挙・暴論に対し、トップである市長が、毅然と反対できない状態というのは、精神構造的に「自治・独立の危機」である。堺市幹部職員のなかでも上層部にいけばいくほど、この問題では意思表示は慎重である。まさに、「堺人」としての自由や自治、独立の気概は失われてしまったのか、と言いたくなるような意気消沈した状況である。
 
 将来「解体・吸収」されるかもしれないような堺市で、しかも それに 正面から対決して堺市を守る気がいのないようなトップのもとで、誇りと意欲をもって働く市職員が育つであろうか。堺市民にしても然りである。「自治都市・堺をよりよくしていこう」という住民自治と運動を根底から否定する堺市解体論であるからだ。

 
 竹山市長も、大阪都構想に賛成するわけにもいかず「橋下知事との溝」が報道されている。
 「堺市と堺市民」が大事なのか、「生みの親」である橋下知事との関係が大事なのか。竹山氏が本物の堺市長になるためには、橋下知事と維新の会に決別宣言をするべきである。

 「自治都市・堺」を守るため、立ち上がるのは今である。
 「大阪都構想から自治都市・堺を守れ
 この 当たり前の主張を、政治的立場や思想信条を超えて市役所の中で、そして堺の町の隅々で広げる時である。それこそ、『堺』が自由と自治に目覚め、勇気と情熱を持って蘇ることが求められている。
 少なくとも、堺市民に奉仕すべき市職員にはその勇気と情熱が必要である。

 私は、堺市当局からみれば「不良職員」であろう。実際、歴代市長はじめ幹部職員の方々と対立してきた。堺市政には言いたいことは山ほどある。しかし、このような私でも「自治都市・堺」を守るために、30年以上 堺市に世話になった一介の職員として「ご恩返し」のつもりで、この運動に参加しようと思う。
スポンサーサイト
Category: 堺市政問題
 
 
 
 
 
 
 
 

プロフィール

福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)

Author:福祉・介護オンブズマン管理者 日下部雅喜(くさかべまさき)
 福祉・介護オンブズネットおおさか事務局長
 介護保険料に怒る一揆の会事務局長
 大阪社会保障推進協議会介護保険対策委員
 
 

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索